BOSSとかのバッファードバイパスは本当に音痩せするのかをシミュレーションしてみた


BOSSのエフェクターを代表するバッファードバイパスのエフェクターは、OFFにした時に音が痩せるからダメというお話はもう昔から常に論争?になっていますね。

先日も、いつもお世話になっているところで、そんな動画がアップされとても面白かった(私的に)ので今回もLTSpice回路シミュレーターでその音痩せが再現できるのか?を実験してみました。

バッファードとアンプ直挿し想定した回路を作った

バッファードバイパスの回路は幾つかありますが、今回はBOSS定番のFETによるインプットバッファーとトランジスタによるアウトプットバッファーを連結してみました。

これら2つの回路は、もう電気回路の教科書通りの超シンプルで、あらゆる用途で使われている回路で特別なものではありません。

下の回路図の上半分は2本のシールドの間にバッファー回路を入れた例、下の半分の回路は1本シールドでアンプ直結にした例でアンプまで10mを想定しています。

シールドはネット検索したら、静電容量やインダクタンスなどのスペックがすぐに出てきた、BELDEN 8412です。

左端のギター回路はシングルコイルピックアップで250KΩポットを想定しています。

右端のギターアンプはとりあえず入力抵抗と、200pFの真空管の寄生静電容量を想定しています。

※いずれも簡易化しています。

まずはシールド合計10mで周波数特性のグラフを出してみて判ったこと

周波数特性をだしてみました。
下のグラフの赤の実線がバッファードの周波数特性、青の実線がアンプ直結の周波数特性です。

音痩せと言われるかもしれない特性が出てきました。

  • バッファードは少し音量が下がる
  • バッファードの方が約1Khz上の周波数にピークが移動する(より高域が再生できるようになる)
  • バッファードは10Hz以下で信号が減衰する

このように高域でピークが発生するのは、ギター回路、シールド回路、アンプ入力部に必ず、静電容量(コンデンサ)とインダクタンス(コイル)が存在するからですが、つまりはアンプ直挿しと、バッファード経由だと音が違って来るということが再現できました。

このピークが聴感上高域を感じる敏感な部分にあると、ギラついた感じで聞こえると思います。
このピークが高い周波数に移動しても、逆に広域が出なくなったという聞こえ方する可能性があります。

シールドを短くしてシミュレーションしてみた

さて、次にアンプまでのシールドを短くして合計5mをシミュレーションしてみました。

すると、アンプ直結はかなり激しいピークが発生していますが、バッファードは逆にフラットな周波数特性になっています。

話はちょっとそれますが、シールドで音が変わるのか?という論争も長い間行われており、ネットでもシミュレーションされている方もいらっしゃいまして、同様の結果がえられています。

つまり、このシミュレーションを見る限り、シールドの音の違いはメッチャあるということで、特にベルデン8412ケーブルが比較的静電容量があるケーブルはその傾向が高いはずです。

一部のオーディオ志向・思考では大きな静電容量=音質劣化するケーブルとして嫌われる方も多いと思いますが、ことギターに関しては、このような完璧な性能で無いケーブルの方が良い音に聞こえる場合があります。

というのも、おそらくギターの心地よい高音域と感じ部周波数は2Khzから5Khz(3次倍音のあたり)だと思いますが、ここに強いピークがあるということはギターサウンドとして強く聞こえると思われます。

一方バッファーを通すとフラットになりますので、そのような超感上のピークが無くなります。
でもオーディオ的に言うとバッファードの方が優秀なんですよね。

一方で低域の方はどうでしょうか?
10Hz以下が下がっているのでダメなのでしょうか?

まず10hzなんて周波数はCDでは再生できません。
またギターペダルの場合、特に歪系は100Hz以下のあたりからカットするという回路ばかりです。
トランジスタアンプも似たようなバッファ回路が使われれいまし、そもそもギター用のトーン回路でも10hzなんて領域外です。

なのでバッファーで10Hz以下がカットされたとしても、音がロスしているとか音質が悪くなったということは無いと思います。

ただ、もしかしたら、特に真空管アンプ直結の場合、極低域が実は出ていて、その一瞬の入力で人間がプレイしている証に感じるなる可能性もあるかと思います。

カップリングコンデンサの値を変えてみた

で10Hzが下がる要因は、回路中のコンデンサ(カップリングコンデンサ)です。

ですのでバッファード回路の入力コンデンサを0.047μFから1μFにアップしてみると、、、、

10Hz以下もほとんどフラットになりましたね。

なので、おそらくペダルメーカーさんはワザと極低域をカットしている可能性が高いで

話はちょっとそれますが、デジタルの場合そもそもデジタル部分でも20Hz以上しか処理できないようになっていますので、入力信号の低域カットは重要だとおもわれます。

音痩せかもしれない要因のまとめ

まとめると以下のようになると思います。

バッファードの音痩せと言われる可能性がある要因

  • トゥルーバイパスより音量が低下する、人間は音量変化に敏感らしいです
  • 本当はバッファードの方がオーディオ的に優秀なのに、アン直の方が高域に個性がある音なのでギターらしいサウンドになっている
  • 極低域のカットされている部分で耳に聞こえない領域で何かが感じられている(但し真空管アンプ直結の場合)

いかがでしょうか?

ちなみに音量が低下するのは、トランジスタやFETによる正しいバッファだからです。
バッファー回路の増幅率は1未満なので、別に回路が悪いわけではありません。
真面目に作ると必ず音量はほんの少し低下しますが、バッファの役割や効果はそれ以上のものがあります。(今回省略)

今回はあくまでもシミュレーションですので現実世界とは異なる部分があるかもしれませんが、それでも面白い傾向が出てきました。

ギター、シールド、エフェクター、アンプは全て楽器ですので必ずしもオーディオ的に良いものがいいというわけではなさそうです。

またバッファーを入れると音が変わるのは事実のようですが、オーディオ的には信号の劣化を防いでいるのに、それが逆に劣化と言われるようになっているのはちょっと濡れ衣っぽいかもしれませんね(^^

バッファペダルっていろいろあるけど

ついでに言うと、このようなベーシックなバッファ回路ではどんなに良い部品を使っても同じ結果だと思います。

音質を劇的に改善するバッファ、、、なんてキャッチつけられているペダルは、ブラシーボ利用されている(失礼)か、逆になんからかのスパイスが入れられている可能性が高いですね。

まず一番簡単なのは音量をアップすることです。
次にシールドやアンプの入力部の静電容量などの固有音を助長させるような仕掛けを入れていること。
あと有効なのは、ちょっと歪ませている(倍音を加えている)という方法でしょうかね?

でBOSSが真面目なのは音量下がっても、音を加工しない正しいバッファ回路使っていると言うことですね。





コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です