Tone Benderの基本に立ち返って半固定抵抗の調整をシミュレーションしてみた


BOSS TB-2Wには3つの半固定抵抗がありましたね。
巷では3つの2N404Aゲルマニウムトランジスタのバイアス抵抗とも言われていますが、コレって思わずいじってしまいたくなるんですよねーw

でもコレ触るの怖いの(^^まずはToneBender MkIIの基本回路に立ち戻って、バイアス調整すると何が起こるのかをLTSpiceで確認してみました。

バイアス調整って

一般的にFuzzFaceなどFuzzに繋がれている抵抗で調整できそうなのは下の3つだと思います。

しかし、トランジスタの本当のバイアス調整として反映される抵抗値って上の図のR3の抵抗だけです。
R2とR5は、コレクタ電流の設定用となるのですが、おそらく一般的に出ている情報は十ぱ一絡げで、Fuzzのバイアス調整と言われているのだと思います。

例えば、下がバイアス電圧を出してみた図。

に対し、R2を1/10の1Kにしても、Q1のバイアス電圧はほぼ同じです。

一方、R3の値を1/10の10Kにすると、Q3のバイアス電圧が大きく変わっているのが判ります。

また、Q2の方も帰還抵抗のR6経由で影響がありますので若干バイアス電圧が変動しています。

ということを念頭に置いて、実は動作電流を変動させていることでその結果を見て行きたいと思います。

初段の抵抗を変化させるとどうなるか

下の図がノーマルの回路で、初段のR2=10Kの時のQ1の出力波形です。このように俗に言う非対称クリップになっているのが判りますね。

出力電圧は1V程度になっています。

非対称クリップすると、見事に2次倍音がでます。

信号1KHzの入力ですので2KHzの倍音が発生していますね。これがFuzzFaceにしてもToneBenderにしても有機的な音が出るという最大のポイントかと思います。

次にQ1の抵抗を10KΩから2KΩに減らして見ると、、、

クリップ量が減りました。出力電圧が0.45Vになりました。ゲインが減ったということですね。

出てくる倍音はほんの少し変化があるという感じです。

このようにすると、ToneBenderはよりゲインが少なくなったような、より有機的な音になります。特にギターのボリュームを絞るとまろやかに歪んでいる感じが更に出て来ます。

逆にR1を10KΩから50KΩに増やしたのがこちら。

出力電圧が2Vになりましたのゲインアップという感じです。

更に大きな値100KΩにすると出力は4Vになりました。

これくらいにすると、倍音構成も暴れてきますね。

更に大きく200KΩすると、出力がいきなり1.8Vになりました。両側クリップしていますが、もうトランジスタとしては電流不足という感じでしょうかね。

倍音も更に暴れています。

このようにQ1の抵抗値を変えるとQ1のゲインが変わって来ると言うことになります。

Q1でゲインを上げ過ぎると、Q2/Q3で歪み過ぎてFuzzらしい倍音が出ないことになりますので注意が必要ですね。

逆にどこまで下げるとちょうど良い有機的なサウンドになるかがポイントになると思います。(その代わり歪み感は減りますが)

2段目の抵抗を変化させるとどうなるか

2段目の抵抗はQ2とQ3両方に作用しますので、波形はQ3の出力で観察することにします。判りやすいようにAttackのノブを1くらいの抵抗値にします。

標準の抵抗値でもう両側クリップ状態になっていますね。

両側クリップによって3次倍音が出ていますね。でも1段目でちゃんと2次倍音が付加されていますのでFuzzらしいトーンになるということですね。

抵抗値を100KΩから50Kに下げてもあまり変化はないようですが、、、

倍音もあまり変化ありませんね。

更に抵抗値を10Kに下げると面白いことが起き始めます。

上側の波形に折り返しが発生していますね。この状態では俗に言うゲート感が発生してきます。サスティンが短くなります。

倍音の分布はあまり歪まないブチブチ感の方が出ると言うことで3次倍音が減っていますね。

更に2KΩにすると、もう完全に折り返し波形になります。

基音も低下氏2次倍音が一番出力が高いですね。もうゲート感満載のブチブチサウンドになっていると思います。

このようなゲート感な音は海外の方がお好きなようで、Fuzzにこれを求める方も多いようです。
日本でFuzzというと鈴鳴り=良いFuzzという感じだと思いますので、逆と言えば逆ですね。

参考まで逆に抵抗値を100KΩから500KΩに増やしてもあまり変わらない感じです。

更に1MΩとか2MΩにすると今度は電流不足によってやはりゲート感が出て来るとも思われます。

以上のように、2段目のまさにバイアス抵抗は減らす方向に設定すると、ゲート感を醸し出す(海外の方好み)の美味しい音に調整できるかもなるかと思います。

3段目の抵抗を変化させるとどうなるか

最後に3段目の抵抗をいじってみます。ここではOutの波形を見ています。

出力は約520mVという感じです。

抵抗値を8.2KΩから2KΩにして見ると。

出力が1300mVになりました、音量が大きくなっているということですね。

倍音の構成もまぁほんの少し変わっています。ほんの少し太い音っていう感じですかね。

逆に大きくして見ると、、、

出力は220mVに減りました。

ということで3段目の抵抗はFuzzの出力音量の調整に使えそうですね。大きくすると音も少し太くなりますのでFuzzっぽくないかもしれませんが、、、、

まとめ

今回はLTSpiceという仮想上での話、しかもOC84トランジスタを題材にしていますので、BOSS TB-2Wの2N404Aがこれと同じ傾向にあるかは不明です。

で、今回の件で大変お世話になりました。funk ojisanが新しい動画をアップされ、TB-2Wには個体差がある、という結果になっています。

でもし今回のような抵抗が調整できるとすれば、例えば音量差がある場合はQ3のコレクタ抵抗値をいじって見るとか、ゲイン感が欲しい場合はQ1のコレクタ抵抗値を、ゲート感が欲しい場合はQ2のコレクタ抵抗をいじる、、、などで調整できるかもしれませんね。

ただしですが、実際のFuzzの半固定抵抗が今回のシミュレーションのように大きく上げたり下げたりすることが出来ない可能性が高い(安全のためもあります)ですので有効で無い可能性もあります。

それよりもおそらく製品の保証が切れる場合もあるかもしれませんので、自分で半固定抵抗をいじってしまうと本体が壊れる可能性が高いので止めておいた方が無難だと思います(^^

そんな方は是非自作にチャレンジして楽しんで頂くのが良いかもしれませんね!

貴重なゲルマニウムトランジスタが壊れないように最新の注意してくださいね。特に半固定抵抗が0Ωにならないように、安全用の固定抵抗も忘れない方が良いと思います。





Tone Benderの基本に立ち返って半固定抵抗の調整をシミュレーションしてみた」への1件のフィードバック

  • 2021年5月13日 @ 22:19
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    いつも勉強になります~!
    知らないことが知れて楽しいです!

    抵抗を全部可変抵抗にしたFuzzFaceでは、R3で鈴鳴りの調整、R5を8.2Kから5Kにするとスッキリ、VR1をアース落とすのを減らすとゲートがアップでした。

    Tone Benderだとこうなるんですね~~!
    他の企画も楽しみにてます。

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