#エフェクターBOSSDS1

BOSS DS-1日本製銀ネジと台湾製の音の差に表れないw違いを確認したら見えない部分のカイゼンが凄かった!| (その4:パーツ確認前編)


これまで、BOSS DS-1の日本製 v.s. 台湾製比較シリーズは主に計測を中心に行っていました。

こちらがDS-1カテゴリページになります。


これらの測定結果から歪みペダルの特徴を示す周波数特性や倍音特性共にけっこうな違いが表れていると思います。

で、次のステップとしていよいよ3台の筐体や内部のパーツの違いを確認して行きます。

外観の違い

日本製銀ネジ、日本製黒ネジ、台湾製の3台の外観の比較です。

フットスイッチ部分のパーツ(上蓋)を見ると日本製の方が角の部分のフィレット形状のRが少し大きい(丸っこい)ように見えます。

下の写真は左から、台湾製、日本製黒ネジ、日本製銀ネジです。

BOSS DS-1
BOSS DS-1

こちらから見ても各エッジ部分や段差部分のフィレットは日本製の方がやや丸みがあり有機的な形状になっていると感じます。

また文字フォントも違いますね。日本製の方がボールドになっていてはっきりしています。印刷方法が違うのでしょうかね。

そして当然ACアダプタのジャックの部分は台湾製になってから異なるのはご存じの通りです。

で、ペダル部分(上蓋)パーツの裏面を見てみます、左から日本製銀ネジ、日本製黒ネジ、台湾製です。

今度は2台の日本製のペダル同士でもまったく違う型が使われていることが判りました。
つまり、BOSSの筐体はダイカストで作られていると思いますが、そのひな型もけっこう頻繁に変更されているということですね。

で、日本製銀ネジは裏側に塗装されていないですね。日本製黒ネジ、台湾製は塗装されていますがこれは塗装工程が変わっているのかもしれません。
日本製銀ネジのようにエッジ部分だけ綺麗に塗装が乗っていないのですが、これは何か平面の上に置いた状態で塗料を吹いているのでしょうか?
日本製黒ネジと台湾製は裏側にも塗料が載っているのですが、これは何かしらの自動化が行われたということでしょうかね。

裏蓋だけでもカイゼンの歴史が見えて来る

さて、いよいよ裏蓋を開けてみます。

こちらが日本製銀ネジの裏蓋部分ですが、ショート防止のスペーサーが高価そうな高耐久のゴム系素材が使われていますね。またスポンジはこのスペーサーを少し押して基板と共に揺れないようにする役割だと思います。

で、上の銀ネジ日本製のビスにワッシャが付いていることに注目です。

で、下のは日本製の黒ネジですが、ショート防止のパネルがアクリルっぽい素材に変更されているようです。(誰かが交換した可能性もありますが)
でスポンジは残っていますね。

で、こちらはビスにワッシャが付属していません。これは以前のオーナーが無くしているのかもしれませんが、、、、

で、日本製の場合はこのワッシャが重要です。

下は左が日本製銀ネジ、右が日本製黒ネジですが、いずれもビスの頭が底板のサイズをハミ出ていて上側の筐体と干渉しています。
なので、ビスをネジ込んでも外側筐体に干渉してストップします。なのでワッシャが無いと底板を押し付けることが出来ないことになります。

で、ついでですが、日本製の2台でも筐体の肉厚が異なりますね。銀ネジの方がこの部分は薄いようです。

で、台湾製の底板パーツはこんな感じ。

ショート防止のプラ板はリブを付けることで、スポンジが不要になっています。

で、台湾製の裏蓋固定スクリューは、日本製より頭が小径になっていました。
つまりワッシャが無くっても外側の筐体に干渉することなくスクリューを締めることが出来るようになっています。

このように、裏蓋を見るだけでも、スポンジパーツの省略、またワッシャが無くても裏蓋が固定できるようになっており、パーツ点数と組み立て工数の省力化が図られているようです。

裏蓋だけでも世界用語にもなっている日本のカイゼンが日々行われているということだと思います。

基板パターンの違いも面白い

いよいよ、基板部分を見てみます。

まずACアダプタのジャックは日本製が基板と別のパーツになっていますが、台湾製は基板に直付けになっています。
台湾製はACアダプタを無理に抜き差ししないように注意したいところですね(^^

で、3台ともに基板の配線パターンは手描きっぽいですね。
日本製の2台はパターンの太さの感じが似ています。ただ銀ネジから黒ネジで右上部分のパターンが変更されているのが面白いですね。

で、台湾製の基板パターンでは面積が広く取られてrいます。
これはおそらく基板からエッチングで除去される銅箔の面積を小さくすることで、エッチング液を節約しているとも思われます。

よく、配線を太くすると音が太くなる伝説がありますが、それが本当だとすればこの基板パターンも音に影響があるかもしれませんが、それほど関係無いのかもしれません。知らないです(^^

また、この写真でも日本製の筐体は四隅が丸いのに対し、台湾製は角ばっていることが見れます。
これも筐体が違えば音が違うという説がありますが、日本製と台湾製の筐体の違いが音に出ている、、、、いや無いかな、これくらいではw

基板ご開帳!更にカイゼンが見えてくる

いよいよ基板のご開帳です。すぐに3台の違いがたくさん見えてきますね。

目立つところでは、フットスイッチのパーツが3台でまったく異なりますね。
台湾製は現行と同じようなのに対し、2台の日本製はそれぞれ異なるパーツが使われています。
日本製のスイッチが壊れるとパーツ確保が難しいかもしれません。

ポットと基板間の配線を見ると、銀ネジの方はかなりハンドワイヤード感がありますね。手作業で生産されているのが良くわかります。
で日本製黒ネジの方も当然ハンドワイヤードだとおもいますが、かなりすっきり整理されていますね。
ここでも製造工程の効率化のカイゼンが見られます。

更に、台湾製では各ポットにミニ基板が付けられリボン配線材になっていますね。ここはパーツ点数の増加よりも製造時の効率と歩留まりをカイゼンする目的だと思います。

ここでも3台で筐体のダイカストが全然違うことも判ります。
日本製黒ネジはなぜかバッテリの配線取り回し用の大きい穴も開けられていますしジャック部分の肉盛りもそれぞれ異なります。

で、日本製の2台は内部のエッジは鋭角なのに、台湾製は丸くなっています。
日本製はアルミ表面も滑らかでツヤがあるのに対し台湾製はマットになっています。
なのでなんとなくですが日本製の方が高精度の製法によるダイカストに見えます。

基板に乗っているパーツを確認するぞ

BOSSはMX●とか(セラコンがふんだんに使われている)と違ってこの頃からちゃんとマイラーフィルムコンデンサが使われていますね。

台湾製ではクロレッツから今でも千石などで販売されているルビコン(たぶん)のマイラーコンデンサが使われています。
生産地は変れど基本的にパーツのグレードは変わっていないようです。

もちろん、その後に台湾製からマレーシア製になって表面実装のパーツが使われるようになりました。
なのでこれらの伝統あるマイラーコンデンサと電解コンデンサで構成されている基板は貴重な姿になるかもしれませんね。

思ったよりも3台は違っていた

ということで、この記事では音質に(たぶん)関係ない違いを確認させていただきました。

日本から台湾に製造工場が移転したということで、その間での違いは大きいということは予測していた通りですが、日本製の2台でも筐体からパーツまでまぁまぁ違いが出ていたのは個人的には発見でした。

カバ野郎としては世界史、日本史は大の苦手だったせいか、今でもペダルやギターの年代云々についてはまったく記憶することが出来ず、年代別のウンチクに対しては苦手意識もあり実はこの辺りあまり興味無かったのですが、3台を並べてみることでBOSSがペダルを地味に進化、カイゼンさせていることが伝わって来ているように感じましたので、今回の比較はとても面白かったです。

BOSS DS-1が登場したのが1978年ということなので、実に45年も経過しているにも関わらず、同じDS-1として継続出来ているのはこのような細かいカイゼンが必須だったということだと思います。

ということで次回は、音に関係がありそうな違いを探ってみたいと思います。

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