#エフェクターBOSSDS1

BOSS DS-1日本製銀ネジと台湾製の音の違いを確認したい!| (その3:倍音特性編) やっぱり歪みのタイプも違う!


前回はBOSS DS-1 日本製銀ネジ、日本製黒ネジ、台湾製の3台で周波数特性の計測をやりました。

結果として、やはり日本製2台が似通っている(それでも違いはありますが)周波数特性で、台湾製はやはり日本製と異なる周波数特性になっていることが判りました。
※ただし、検証した3台の中のお話なのでご注意お願いいたします。

で今回は、歪み時の波形の観察と倍音の発生状況(FFT分析)で調べてみます。
なので今回もオーディオインターフェイスMOTSU M2で取り込んだ信号をオシロスコープソフトで観察します。

BOSS DS-1 and MOTSU M2
BOSS DS-1 and MOTSU M2

DS-1の歪の波形をオシロスコープで観察

観察方法ですが、DS-1のGAINをゼロ、トーンを真ん中のセッティングにして、入力信号のレベルを-21dbから0db(相対)まで変化させます。
相対レベルですので波形を観察して、歪まないレベル〜結構歪んでいるレベル、の間で変化させるという感じにしました。

で、入力信号は-21dbから3秒ごとに1db刻みで大きくしていますので、これを3台並べた動画にしてみました。
一番上が日本製DS-1銀ネジ、真ん中が日本製DS-1黒ネジ、下が台湾製DS-1です。(ずーとピー音がしますので申し訳ありません)

ここでも上2台の日本製が同じような波形に対し、下の台湾製が異なる挙動を示しているのが判ると思います。

日本製DS-1はまず非対称的に波形が緩やかに歪んで行き、最終的にも若干ですが上下非対称で落ち着いている動きが見れます。

一方で、台湾製DS-1は日本製よりも早くから明確なクリッピングが発生しているということが判ります。
またその波形も上下対象に近い形状ですね。

日本製と台湾製BOSS DS-1の歪みで発生している倍音を観察するとかなり面白い結果が出た

次に、歪んでいる時の倍音の出方の観察です。
これは波形の観察の延長として、今度はGAINもゼロ、2.5、5、7.5、10の時にそれぞれ-21db〜0dbまで1dbごとにアップさせます。
なので、ちょっと長い動画になっていますし、ずーとピーっていう音がなっているだけなのでご注意ください(^^;

で、皆様がこの長い動画ご見て頂くヒマない筈とも思いますので、このテストから判る日本製と台湾製の違うポイントを2つ説明させて頂きます。

DS-1クリーンから歪みを始めるあたりでの倍音の様子

まずこちらはGAIN 1/4=2.5(2時あたり)で、-21db(最も小さい入力)での波形です。
つまりここでは、クリーンから歪み始めるポイントとお考え下さい。

日本製DS-1の2台はまず2次倍音から発生していることが判ります。またそれ以上の倍音が出ていませんので聴感上はほぼクリーンな音になっていると思います。
で、この最初に出てくる二次倍音はおそらく初段のトランジスタが歪み始めて2次倍音を生成している状態だと考えられます。

それに対して台湾製DS-1はいきなり綺麗に整列した奇数次倍音が出てきました。
これは(おそらくですが)クリッピングダイオードによるハードクリッピングが開始しているからだと考えられます。

でBOSS DS-1の公式説明にあるように、2ステージの歪回路で構成されているということですが、この波形からすると日本製はその初段(トランジスタ)から歪を開始する、のに対し台湾製は後段(クリッピングダイオード)から歪みが開始しているのではと予測されます。

DS-1ががっつり歪んでいる状態での倍音の様子

次にDS-1のGAIN 3/4=7.5(10時あたり)で-12dbくらい、つまりまぁまぁ歪んでいる状態です。

この時点の比較ではかなり面白い結果が出てきました。

日本製の2台が偶数次倍音で構成されているのに対し、台湾製が奇数次倍音で構成されているという明確な違いが出ています。

台湾製DS-1はいわゆるディストーションペダルとして典型的な奇数次倍音中心の歪み音が出ているということですね。
それに対して日本製の2台は、より真空管(三極菅)をブーストした時のような二次倍音が出ていることが判りました。

BOSS DS-1がハードクリッピングのディストーションペダルなのに偶数次倍音を発生させる脅威のBOSS技術陣設計(^^のペダルであることは、シミュレーションの記事を書いた時に気が付いていたことですが、それが今回のテストで確認出来たのは本当に嬉しいです。

で、ここで台湾製DS-1が劣るということは無いことも説明させてください。

まず、DS-1で共通するのは他のダイオードクリッピングペダルよりも、圧倒的に偶数次倍音が出る回路です。

それに対し、TS-9などのオペアンプとクリッピングダイオードのシンプルな回路で構成しているペダルは基本的に奇数次倍音発生器となります。

すでに、TS-9でも同様の計測を行っていますが(後日記事にします)が、どのゲイン設定でもどの入力レベルでも奇数次倍音だけ出ているのです。
先行してTS-9の倍音構成のスクリーンショットを載せます。

もう本当に綺麗に奇数次のみで構成されているのがすごいですね。(計測してみてびっくりしましたw)

で、話がちょっと脱線しましたが、上のDS-1の歪み倍音の観察動画をじっくり見ていただくと、ゲイン設定と入力レベルによって奇数次倍音と偶数次倍音の構成が複雑に変わって行きます。(繰り返しになりますた、TS-9ではずーと上のように奇数次倍音だけの状態です。)

で更に加えるなら、やはり台湾製DS-1よりも日本製の2台は各倍音がかなり複雑かつダイナミックに変化しているすることが判って頂けるのではと思います。

やっぱりBOSS DS-1の回路設計はすごい

ということで、ここから私見になりますが、BOSS DS-1がディストーションペダルの歴史の初期に登場しながらも、現在でも最も人気が高い歪みペダルとして君臨し売れ続けているのは、はやりこのように複雑に表情を変える歪み特性が備わっているのも大きな要因の1つだと思います。

で、BOSS DS-1も個人によって良い音。悪い音、と意見が分かれるペダルだと思いますが、DS-1の良さを判られる方は相当良い耳を持たれているからこそだと思います。

ということで次の記事では外観の違いなどを含めて日本製&台湾製BOSS DS-1の違いまとめ記事をアップさせて頂く予定です。

お礼

今回計測に使わせていただいた貴重な日本製のBOSS DS-1 を貸して頂いた デルリン @delrin500_96 さんいきすぎたDIYさん@ikisugita_DIYさんに感謝いたします。

台湾製DS-1だけだとBOSS DS-1の本当の実力は判りませんでした。

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