シミュレーションで学習:Timmy vs JanRay もうこれは兄弟っしょ!


funk ojiisanがJanRayとTimmyを比較した動画をアップしたので

いつもお世話になっております国分寺のギターショップ funk ojisanが少し前に「JanRayとTimmyはどこまで同じなのか?検証してみます!」という動画をアップされていました。

まずはじっくりご覧ください。

ということで、私もPAUL COCHRANE ( ポールコクレーン ) / Timmy Overdriveと、VEMURAM JanRayをシミュレーションしてきましたので、バーチャル対決をやってみることにしました!

シミュレーションの前にTimmyとJanRayの回路比較

JanRayとTimmyの回路図はfunk ojisanが言われているようにネットで参考にすることができます。

そこで各部分の違いを見てみると、、、

①ベースコントロールの定数
後のコンデンサの値が同じなので同じと言って良いです。
ただJanRayは巧妙な抵抗配置でベースの基本ゲインが調整できるようになってはいます。今回は中間値で対決させます。

②③④入力のインピーダンス定数とローパス
まぁ差し引き同じ感じです。

⑤クリップダイオードの配線
変化ありません、Timmyの方はカモフラージュかも。

⑥⑦後段のローパストーン回路
JanRayの方が大きく高域を減衰させます。

⑧トレブルポット
値は異なりますが、0Ω側がMaxで、JanRayの方が値が小さいのはトレブルを下げすぎないように帳尻合わせした感じです。

⑨電源回路
JanRayの方がよりノイズ対策が行われているように見える回路ですが、バッテリを使う限り大差ないかと思います。

⑩ロゴ
一緒のフォントが使われていますw

周波数特性対決

さて、前回のTimmyのシミュレーションでは、トレブルとベースのツマミをゼロにする(つまりMax値にする)とフラットな周波数特性であるということを見つけました。
なので、JanRayも同じようにMax値、つまりツマミをMaxにする(回転方向がTimmyと逆)した結果が下の周波数特性です。

いかがでしょうか?JanRayの方がトレブル側がナローレンジ、というかTimmyはかなりワイドレンジです。
TSやFullToneに近いかもしれません。

そしてトレブルとベースのツマミを両方Minにしてみると、、、

ゲインの差もありますが、Timmyの方が周波数のピーク上にあるようですね。

そして、両ペダルのトレブルとベースのコントロール幅をみてみました。

ベース側のピーク周波数が同じように推移しているのは、コンデンサが全く同じ容量値を使っているからだと思われます。
一方でトレブル側のピーク周波数は回路図の通り異なる定数が使われている為ですね。

周波数特性を見るとJanRayの方が柔らかい、膨よかな音がするというのが見えてきますが、funk ojisanのスタッフ方がTimmyの方が音が固い、と言われるのは納得です。

ちなみにJanRayのトレブルとベースを調整してもTimmyのようにフラットな周波数特性に設定することはできませんでした。
これはTS系共通の動きで、ベースとトレブルが干渉するので基本フラットになりません。

オーバドライブゲインと波形対決

さて、JanRayは国産ペダルらしく、ツマミが12時で最もオススメの音が作られているようなので、そこで周波数特性を測定し、それにTimmyを合わせてみました。

TimmyのトーンポットはAカーブが使われていますので、どのポジションかまでは割り出していませんが、上記の抵抗値の状態でこうなると思ってください。

この状態でゲインをゼロからMaxにした時の、オペアンプ前段の出力波形(クリップした直後)と、ペダルの出力波形(ローパスで整えられた結果)を見てみます。

歪みの波形の本質とてはもう兄弟と言って良いですね。
抵抗値が異なりますので推移は違いますが、クリップしていないクリーン状態から、歪み状態の波形がほぼ兄弟と言って良いですね。

ただ、JanRayの方が中間値が細かく設定できるので繊細な歪みを作ることができるようです。

一応ですがFFTも上げておきます。ゲインは中間点くらいです。

まぁ、クリッピング回路でどちらも対照4個のダイオードを使っているので同じような周波数分布ですね。

非対称クリップ領域も同じだった

そして、Timmyのヒミツの特徴である、強く弾くと非対称クリップを開始するという動きですが、JanRayの方も出てきます。

ただ、TimmyとJanRayでは、非対称クリップする電圧がプラスとマイナスで逆転しているのです。

なぜそうなるのかは教えると怒られそうなので、これ以上のツッコミは控えさせて頂きたいと思いますが、シミュレーションで分析する限りJanRayは巧妙です(^^

Timmyをデザインしたポール氏は何故怒っているのか?

Funk Ojisanによれば、Timmyの開発者であるポールコクレーン氏はJanRayに自分の回路がコピーされたとしてちょっと怒っているということです。

ただ両方の回路共に基本TubeScreamerの回路ですので、お互いまぁいいじゃないか、、、ということも考えることもできますが、、、

お怒りになる理由を考えてみると、、、、

  • コピー元がTimmyではなくTSやFulltoneなら、前後のバッファトランジスタがあるだろう。
  • ベーストーン回路のコンデンサ容量が同じなのに、そこに至る抵抗はあえて複雑に配置されているが結局同じような定数である。
  • Timmyはフラットからユーザーが音作りするという真面目な回路だけど、JanRayはTimmuyの気持ちの良いセッテングを、中間値としてプリセットしているように見える。
  • ヒミツの非対称クリップをコピーしているけど、上下を逆転してゴマかしてる?
  • TimmyのフォントとJanRayのフォントが同じ(^^

結局万能過ぎるTimmyの弱点を突いたのがJanRay?

Timmyの弱点は、、、、

  • フラットな周波数特性からスタートしてユーザーに音作りを任せている。
  • トレブルとベースゼロ位置が最大でそこからカット方向に調整という考え方、つまり普通のトーンと逆方向に調整するが、それを知らないユーザーは混乱する。
  • トランスペアレントを開拓したペダル故にやや深めのゲインまで調整できるのが逆に使い辛い面もある。
  • クリッピングモードが複数あるのはいいけど、どれがいいのか解らない。

そしてJanRayは

  • ツマミが真ん中からオススメ設定にチューニングされていて、ユーザーはすぐにベストな音からスタートできる。
  • 他のペダルのトーンと同じ回転方向。
  • トランスペアレント〜オーバードライブで気持ちの良い音をターゲットにしている。
  • クリッピングモードが無い。

更に、JanRayはブラス製の筐体でプレミアム感を作っているのも上手いです。
まるでTimmyとの違いをブラス筐体が原因だとユーザーに暗に認識させているのも凄いです。
おそらくブラス筐体の音の違いよりも、まずは、コンデンサと抵抗の定数の違いの音の方が大きいようです。これは筐体が無いシミュレーションで現れているのですから確実です。
(まぁ最後の最後にブラス筐体の違いはあるでしょうけど)

JanRay vs Timmy まとめ(シミュレーションによる)

ということで、今回はシミュレーションによって、2つのトランスペアレント系、小上手い系(^^の大人気ペダル、VEMURAM Jan RayとPAUL COCHRANE ( ポールコクレーン ) / Timmy Overdriveを比較してみました。

あくまでもVirtualな世界かもしれませんが、funk ojisanが言われるように、小上手い系な方(^^をターゲットに据えてドンズバな音作りとプレミアムな外観がユーザーの心を掴んでいるということが判ったような気がします。

対するTimmyは TS系の特徴である気持ちの良いミドルを中心にした回路をあえてフラットからスタートさせるというTS系の中では最も先進的な考え方かと思います。
しかしJanRayはそれを再度、気持ちが良い音作りに戻したということだと思います。

結論ですが、2つのペダルが兄弟であることに間違い無いかと思います。





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