エフェクターは音も大切ですが、それと同じくらい大切なのが、エンクロージャー、エフェクターケースと言われる筐体だと思います。
ところが趣味の自作エフェクター制作だとその筐体の選択肢としてはハモンド社のエンクロージャーかそのコピー品ということになります。
基板の方は拘りのパーツ、レアパーツを使って経験を積んだハンダ付けでハンドメイド制作したもののその基板は筐体の中に隠れていますので、結局その拘りを視覚的に訴えることはできません。
一方でエフェクタブランドのビルダーの方々は流石です。
CNCルーターによるアルミ削り出し筐体、あるいは、ビンテージテイストのメタル板金筐体を用いて筐体まで含めて魅力ある商品として完成させられています。
外観、つまり筐体にまで拘りが現れているエフェクターは内部の拘りも必然的に感じられます。
そんなCNC加工や板金加工を個人で国内の業者に発注すると、小ロットでは受け付けてくれなかったり、試作品で発注すると1個数万円とか非現実的なお値段であることでオリジナル筐体についてはスルーしておりましたw
自作関連のポストでJLCCNCをよく目にするようになってきた
しかし最近、オーディオ関連やガジェット関連の自作されている方がJLCのCNCや板金で筐体を作られたというポストが目立つようになりました。
私も基板の方はJLCPCBで発注していたのですが。こちらの発注画面には3Dプリント、CNC加工、板金などがあることに気が付いてはいたものスルーしていましたw

ところがどうやら、これらのサービスはコスト的に個人でも手が出せる金額なようなのです。なのでJLCのこれらのサービスを使いたくなってきました。
JLCPCB/JLCCNCについて調べてみた
ということで、JLCPCBさんについて、改めてChatGPTにも聞いてみました。
🛠 JLCCNC(オンラインCNC加工サービス)とは?
JLCPCB(捷利創、JiaLiChuang PCB)は 2006年11月15日設立 の中国・深圳発のPCB(プリント基板)製造企業で、世界中のエンジニアやメーカー、個人の電子工作ユーザーに広く使われています
✅ できること
- PCB(プリント基板)の試作・量産製造
- 部品調達から実装までのPCBアセンブリ
- 3Dプリント、CNC加工などのサービスも同グループで提供(後述)
ざっくり言うと👉 「安く・早く・オンラインで基板を作ってくれる会社」
🛠 JLCCNC(オンラインCNC加工サービス)とは?
JLCCNC は、JLCPCBグループ(JLC Global の一部)が提供する オンラインCNC加工サービス です。
2023年7月頃に正式にサービス提供を開始しました。これは「CNC Machining service(CNC加工サービス)」としてJLCグローバルの一部として立ち上げられ、当初は試運転を経てその後本格的な運用へ移行した形です。
✅ できること
- CNCフライス加工(3軸〜5軸まで対応)
- CNC旋盤加工(丸パーツ、軸物など)
- EDM(放電加工)
- 板金加工・3Dプリント・メカトロ部品加工などJLCCNC
📌 特徴
- オンラインで設計データをアップロードして見積 → 発注 → 納品まで完結できるJLCCNC
- 金属(アルミ、銅、鋼など)から樹脂まで材料対応可能JLCCNC
- 数日程度で試作部品の製造が可能(例:3日〜)JLCCNC
JLCCNCは2023年にサービスが開始されたばかりで今まさに注目を集めるサービスになっているということですね。
といくことは、エフェクターの基板と筐体をJLCPCBのワンストップで数日で制作してくれるということ、更に価格もお手頃となるとエフェクター自作勢にとっては画期的なサービスになっているということですね。中国おそるべしです。
(もちろん競合他社もありますので調べてみてくださいね)
JLCCNCの板金加工にチャレンジしてみたい
これからはエフェクタの筐体も自分で設計して作れる時代になったんですね。
なので私も追いつくためにもJLCCNCでエフェクター筐体制作にチャレンジしてみたいと思っていました。
しかし自作の目的はエフェクターの制作であり、筐体の制作が目的ではないので、なかなか思い越しが上がらなかったのです。
なので、目標というが、題材が必要ですね。
練習その1 – RATのオリジナルを題材にしてJLCCNCで筐体を作ってみる
で、ちょうど今年の後半はProCo RATの回路をいろいろ調べていたこともあり、せっかくなので筐体を含めてProCo RATを再現してみることにしました。(いや現行モデルなんですがごめんなさいw)
ちなみに、オリジナルのProCo RAT筐体は板金で作られていますので恰好の題材です。
RATのオリジナル基板のリバース
で、自分もRATのリイシュー持っているのですが、基板の方を見るために分解するのがめんどくさいので(こめんなさい)effectsdatabase.comでRATの基板写真を借りまして、そこからリバースして同サイズの基板を制作してみます。

基板制作はKiCAD使って基板を制作してこんな感じで完成しました。
(完成までの過程を説明するとあまりにも長くなりますので省略させてくださいw)

KiCADからパーツた装着された基板を3Dで表示できるのが素晴らしいですね。
本来であればこの基板の3Dモデルを用いて筐体を設計するのですが、RATはすでに実物があるので筐体の方もトレースして今回はFreeCADでモデル化することにします。
(ちなみに、3Dモデラーの方はBlenderやAutodesk FUSIONを使われていると思いますのでいずれにしてもSTEPフォーマットで書き出せればJLCCNCに発注出来ますのでお得意のツールが良いと思います)
RAT筐体の3Dモデル化
ということでProCo RAT実物を定規で採寸してモデル化しました。(このCADモデルの制作手順もあまりにも長くなるので省略させていただきますw)

オリジナルRATの筐体から採寸し、そのアッパーシェルをモデル化したのがこちらです。

筐体上側は平行に4回曲げ加工だけで、結果モデリングも単純なのでまさに今回の板金モデルの練習台としてのお手本そのものですね!
次にボトム側のシェルですがよりシンプルで2回曲げたコの字の板金モデルとなります。

上下のシェルを合体させるとこんな感じ。
あえてアッパーとボトムの節後部に段差を設けられているのがRATっぽくなりますね!w

ということで、まずはオリジナルのProCo RATをリバースすることで基板と筐体をモデル化を練習することができました。
練習2 – 独自サイズの基板と筐体を設計してみる
で更なる練習のために、次は実物の採寸ではなく異なるサイズとしてコンパクトなRATを作ることを目標にしました。
まずは基板の小型化
オリジナルのRATの基板は24mmサイズのポット横並びで3個が使われていますが、それがあの基板のサイズになっているようです。
まぁそれがある意味ちょうど良いサイズというか、結果的にがあの象徴的なスクエアな筐体デザインになってるようですが、もう少し小型化する余地もあるということですね。
ということでポットを小型なものを使い、他のパーツの配置間隔を詰めることで少しだけ小型化できそうです。
で作った基板がこちら

次にこの基板が入るように筐体を考えてみました。

基板サイズの変更によってジャックやフットスイッチの配置を見直すことになりますが、せっかくなら薄い筐体にすることにしました。
主要なパーツを3DでCAD内に定義しました。

このように基板とパーツをモデル化することで、パーツ配置を3D CAD内の仮想モデルでレイアウト検討することが出来ました。
ちなみにジャックやスイッチの3Dモデルはネットにアップされているので簡単に見つけることができました。よい時代になったもんですね!

そして、筐体のアッパーシェル側の設計が終わったら、それが収まるように下側の板金部品を設計しました。

上下シェルを合体させた筐体がこちら。

ということで、基板と筐体を設計できたので、次は実際にJLCPCB/JLCCNCに発注してみたいと思います。
次の記事はJLCPCBでの基板見積もりこちら。
さらに次の記事はJLCCNCで筐体の見積もりをまとめた記事 こちら




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