JLCPCBでエフェクター基板の制作費用と送料を見積もってみた編
前のポストではJLCPCBでプリント基板とJLCCNCで板金によるエフェクターケースを発注する準備時点での記録をポストさせていただきました。
その後プリント基板は無事発注できましたので、この記事ではJLCPCBではエフェクターのプリント基板を制作するための費用についてまとめてみたいと思います。
なお、この記事の価格は2025年12月時点のものです。円為替レートは頻繁に変動しますし、JLCPCBの価格も変更される可能性があるので、皆様が注文される時は都度ご確認お願いいたします。
JLCPCBで基板を発注するにはガーバーファイルが必要
前の記事で作ったLarge Box期とRAT1期のプリントパターンをトレースした基板はサイズは75.5mm x 74.5mmのスクエアになっています。
これをKiCADで制作し出力した製品データとしてガーバーファイルをアップロードします。
一応ガーバーファイルの説明をGoogleさんAiに聞いたテキストをコピペします。
ガーバーファイルとは
プリント基板(PCB)の設計図となる標準的なデータ形式で、銅配線、はんだマスク、シルクスクリーン、穴あけ位置など、基板製造に必要な各層の詳細情報が画像(イメージ)として記述されたものです。CADソフトから出力され、基板メーカーがそのデータをもとに基板を正確に製造するために使われます。現在主流なのは「拡張ガーバー (RS-274X)」形式で、これにはアパーチャーリスト(Dコード)情報が含まれ、より詳細な描写が可能になっています
ということでKiCADの操作方法や基板設計過程、ガーバーファイルの作成方法などについては省略しますw
ちなみに私もKiCADの操作方法などはWebで情報収集してましたがソフトウェアのバージョンや情報元の記事そのもの古かったりで場合によっては間違ってしまう場合もありまました、なのでできるだけ正しい基板設計プロセスをマスターされた方が良いとおもいます。
またJLCPCBのサイトではヘルプページが準備されていますので、こちらは絶対熟読された方が良いと思います。
ProCo RATサイズの基板のJLCPCBの見積り価格を調べてみた
JLCPCBにアップロードするとすぐに日本円で見積り価格が出てきます。
最小の発注枚数が5枚、基板サイズが75.5 x 75.5mm、その他はディフォルト設定です。

5枚で313円これはプロトタイプ用の基板ということで特別オファーのようです。
1枚あたり約63円ということですね、試作用としてはユニバーサル基板よりも安いですねw
発注枚数でコストは違うの?
で枚数を追加すると15枚から特別オファーの価格ではなくなり、逆に技術料が追加されます。

更に50枚から、技術料、フィルム、ボードの料金が加算されることになります」。

それ以上は、技術代とフィルム代は同じで、ボード代が追加されます。でこちらが枚数による節約金額です。

一応ですが基板発注枚数による1枚あたりのコストを調べてみました。
- 5枚 313円(特別オファー) 62.6円/枚
- 10枚 782円(特別オファー) 78.2円/枚
- 15枚 1658円(技術料625円、ボード料1032円追加) 110.5円/枚
- 20枚 2002円(技術料625円、ボード料1376円追加) 100.1円/枚
- 25枚 2346円(技術料625円、ボード料1720円追加) 93.8円/枚
- 30枚 2690円(技術料625円、ボード料2064円追加) 89.7円/枚
- 50枚 3503円(技術料1251円、フィルム235円、ボード料2017円追加) 70.1円/枚
- 100枚 5504円(技術料1251円、フィルム235円、ボード料4019円追加) 55円/枚
- 200枚 9507円(技術料1251円、フィルム235円、ボード料8022円追加)47.5円/枚
ということで、5枚での発注の価格62.6円/枚はまさに試作用の特別オファーということがわかります。
また実際にエフェクターの製品販売を考えられている方は100枚以上発注すると1枚あたり基板のコストが55円ということになりますので、原価的にはかなりメリットがあると思われます。
「面付け」は出来るけど高くなる場合があるよ
ところで、1枚の基板に同じデザインの基板パターンを複数配置しVカット指定(基板を割る切れ目加工)などでの「面付け」で基板制作コストを節約する方法もありますが、JLCPCBは「面付け」を指定すると特別オファー料金が解除され技術料が追加されます。またJLC側で割り付けてもら方法もありますが、それも料金加算になります。
でJLCPCBによる面付をしてみます。

結果は技術料をボード費用が加算され5枚X4=20枚で2002円

つまり、面付しないで20枚発注する時のお値段とまったく同じになりました。
なのでこの場合面付けしてコストダウンはできないことになります。
よくできていますねー
ちなみにFusionPCBは100mmx100mmの基板に、発注時点でVカット指定することで同じ料金で制作してくれます。よって、試作基板として小型の基板を100mx100mmの中で複数割り付けて作る場合はFusionPCBの方がかなり安くできる場合もあると思います。

基板カラーの指定が無料のオプションなのが嬉しい
JLCPCBのこの発注画面でディフォルト以外を選択するとアップチャージになりますが、基板のカラー選択は無料で指定することができます、このときシルクスクリーン印刷は白か黒が自動で設定されます。緑以外の基板は納期が数日長くなるようです。

一応、緑、紫、赤、黄色、青、白、黒色の基板のサンプルを表示してみましたが、基板色が黒色の時だけシルクスクリーンがが白色になるようですね。







ということで基板といえば市販されている製品は緑が多いと思いますが、自作ペダルやブティックメーカーさんはスペシャル感やプレミアム感がを感じさせたいのか、赤、黒、白、青などで作られていることも多いですねw。なので私も今回のRAT基板も黒で作ってみますw
小型化したRAT基板も見積>発注してみた
そして次の基板としてRATのオリジナル基板から小型化した基板も見積りしてみました。

同じく5枚で313円ですね。
ちなみに、実はこの記事を書く前に、これら2つの基板はすでに発注していましたが、特別オファーの価格は違っていました。確かRATオリジナルサイズの方が高かったと思います。
このように、JLCPCBの見積りは、日によって価格が異なる場合もありますし、オプションをいろいろいじっていると加算された料金がそのまま残ってしまう場合があるようなので注意してくださいね。
小型化した基板でも面付けすると1枚あたりの価格は同じなのか?
でこの基板は50mmX50mmで設計しましたので、面付けで4X4にすると100mmの基板となります。試作基板の特別オファーが100mmなので安くなるかも、、、、
ちなみにFusioPCBではこうすると1枚から4つの基板が取れるので4倍お得になりますが、JLCPCBではどうなんでしょうか?
面付ツールで4X4を指定してみました。

すると、やはりというか特別オファーが消え技術料とボード費用が上乗せされ1235円になりましたので1枚あたり61.8円となりわずかにお得になりました。

このように、面付けして100mmX100mmに収めるとほんのわずかですが1枚あたりに換算するとお得になるケースもあるようです。
が、さらに小型の基板は今回試していないので皆さんも実験してみてください。
私の場合は20枚も必要ないので、今回5枚で発注しました。
せっかくなのでガーバーファイルビューワー機能を試しみました。



私の経験ではこのガーバーファイルビューワーはFusionPCBよりJLCPCBの方が優秀なので発注状態の確認ができるので安心ですね。
JLCPCBの送料は?
JLCPCBのサイトでこのような発送料金表がアップされています。(2025年12月時点)

最も早く到着するのがDHL Expressですね。私はこれをよく利用しています。
最も料金が安いのはOCN NEPですが10cm以下のサイズ指定があります、jLCPCBは専用の箱に入れてくれるので、このOCNでオーダーするともしかしたら、基板のバルク状態で発送されるかもしれません、あるいは、そもそも利用できないかもしれません。(利用したことがないので予測ですすいません)
とんると、OCN Expressの313円ならコスパが良いかもしれませんね。
ということで、次の記事ではJLCCNCで板金筐体を制作したらどれくらいの費用になるかをまとめてみたいと思います。
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