相性問題?インピーダンスマッチング?FuzzFaceがギターやワウペダルとのクセが凄い件を考えてみた
前の記事のFuzzFaceのシミュレーションでは、何故かイン側の電圧値が変な動きをするということが判りました。
それを更に検証するために以下のようにギター側も考慮した回路図にしてみました。
FuzzFaceとギターピックアップの相性問題を考えてみた
もうお判りかもしれませんが、FuzzFaceはQ2のトランジスタかR4の100kの抵抗で、Q1のベースに負帰還(フィードバック)をかけて回路全体の増幅値を減らしバランスを取っていますが、このQ2からのフィードバック信号は、ギター側のピックアップと繋がっていることが判りますね。
よって下の図のような信号の流れをしている筈です。
よって、Q2トランジスタの負帰還はギターのピックアップも含めた回路になることが判ります。
これまでFuzzFaceに直接ギターを接続する場合とバッファーを介して接続する場合で音が違うということが知られています。
両者の間にバッファーを入れるとこのQ2トランジスタからの帰還信号は遮断されQ1だけに作用するようになります。
下の図はFuzzCentralに掲載されているTone Benderの記事になりますが、Q2とQ3はほぼFuzzFaceで、Q1がバッファトランジスタとして追加された回路になります。
このような回路では最終段のトランジスタからの負期間は、楽器側には伝わらないようになると思います。
FuzzFaceとワウの相性問題を考えてみた
更にワウ問題についても考えてみたのが以下の回路図です。
FuzzFaceの前にVOX V847ワウペダルを接続した想定です。(回路図はELECTROSMASHにアップされているものです)
V847ワウは入力で増幅しただけで、その後ろにあるワウのコンデンサとコイルが直接出力されているわけですね。
つまりワウのトーン回路がそのままFuzzFaceに接続されているということになります。
(ちなみにV847の一番右側のトランジスタはバッファでは無く帰還用のフィルタ信号を増幅するものですので更に複雑なことになりそうです。)
よってFuzz FaceにV847を接続するとQ2の帰還信号は下のように流れてると思います。
いかがでしょうか?
これらのFuzzFace接続問題はよくインピーダンスマッチング問題として片付けられていますが、その根底は回路構成で発生する信号の干渉という面もあるのではと思います。
相性問題を検証されている動画
話が前後になりますが、Youtubeで探すとFuzzFaceとギターやワウペダルの相性問題について検証した動画がすぐに見つかります。
こちらの、tonefiend.comのJoe Gore氏のGoldenFoilピックアップの試奏動画をご覧ください。
ストラトのシングルコイル、レスポールのハムバッカー、セミアコのFlitreTronでは、ボリュームを下げるに従ってクリーンサウンドにるようですが、LollarのGoldenFoilピックアップではボリュームを下げてもなかなかクリーンに至らないようで、更にほぼゼロ寸前でやっとちょっとクリーンになり、更にボリュームノブを0に近くするといきなり音が消失してしまう動きになっているようですね。
ギターショップフーチーズの動画では、ワウとFuzzの問題を徹底検証して解決した動画がアップされています。
Crews Buffoutというバッファーを入れインピーダンスマッチングを取るということですね。
サウンドハウス:CREWS ( クルーズ ) BUFFOUT ¥14,300(税抜)
小岩ファンクさんもFuzzやワウペダル用のイナバッファを開発されています。
小岩ファンクさんのイナバッファーでは、FuzzFaceのバッテリーを節約する機能まで搭載されていて素晴らしいですね。
サウンドハウス:VOX ( ヴォックス ) V847-A ¥7,780(税抜)
サウンドハウス:M DUNLOP ( ジムダンロップ ) FFM2 Fuzz Face Mini Germanium ¥13,100(税抜)
サウンドハウス:ROGER MAYER ( ロジャーメイヤー ) Classic Fuzz Face ¥36,800(税抜)
サウンドハウス:TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) BonaFide Buffer ¥7,180(税抜)