BOSS Waza TB-2W Tone Benderに使われたゲルマニウムトランジスタは何?映像じっくり観察してみて判ったこと


世界のBOSSがなんとゲルマニウムトランジスタを使用した、ToneBenderクローン、いや、本物のTone Bender TB-2W を発表しました。

BOSSがFUZZレジェンドのSola SoundとコラボしたエフェクターWAZA TB-2W Tone Benderを発表!

そして、BOSSの社長池上嘉宏氏が語るエピソード動画で、Waza TB-2W Tone Benderの開発現場を見ることができます、一体どんなゲルマニウムトランジスタが使われてるのでしょうか?じっくり見てみました。

こちらが、SolaSoundが提供したマスターピースという#500 ToneBenderの基板ですが、3つのゲルマニウムトランジスタはOC84が使われているようです。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

WAZA TB-2W の回路はToneBender MkIIがベースになっているようですので3本のPNPゲルマニウムトランジスタの回路のはずです。

そして、こちらがBOSSがこのペダルのために2019年に調達したというゲルマニウムトランジスタのロット。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

拡大すると、トランジスタは2N404であることが判りました。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

TO-5のメタルボディですが、金属の地肌は新しく見えますので、ビンテージのデッドストックでは無いように思えます。
最近製造されたもの、或いはBOSSがオーダーしたものでしょうか?ま

だゲルマトランジスが作れるのは不明ですが、eBayを見ると新品と思われるモノが出品されていますので、その可能性もありそうです。

こちらはトランジスタをゼロプレッシャーソケットに装着し、各定数を可変抵抗にして音作りをしていると思われます。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

こちらのシーンでもトランジスタは2N404であるのが判りますね。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound
TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

こちらのシーンはバッファ&スイッチ基板か、電源基板と組み合わせテストということでしょうか。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

ちなみにTB-2W Tone Bender は、ユーザーがスライドスイッチで7V、9V、12Vと内部電圧を切り替えられるようですし、PNPゲルマトランジスタということで負電圧が必要と思われます。
よって、負電圧+12V電圧を得るためのチャージポンプ電源も入っているかもしれませんね。

こちらは、各トランジスタを測定しているということでしょうか。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

右はオシレーターでしょうか。
左のテスターにはノイズという文字が見えますのでノイズレベルの計測を行なっているということでしょうか。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

当然、アナログ回路シミュレーターも使わているようですが、これはBOSSオリジナルのソフトウェアということでしょうか?
おそらくトランジスタの計測結果を入れられると思いますが、

下の回路はToneBenderの後段のトランジスタ2段の部分でしょうかね。

オリジナルと異なるのはコレクタとベース間にコンデンサを入れているようですが、発信防止の位相保証、或いは、音質調整ということでしょうか。(この回路が実機に採用されたとしてですが)

他のシーンで出て来る回路図ですが、PNPトランジスタの後段にFETを繋げているのは前の回路図には無い回路ですね。

TB-2W: Tone Bender – BOSS Sola Sound

FETの後はトーン回路のようにも見えますのでバッファかもしれませんね。(勿論オリジナルのTone Bender にはありませんが)

よく見ると、右側の上にちら見しているコンデンサは、2段目のトランジスタの位相保証、その下にちら見している抵抗はオリジナルでは100KΩの負帰還抵抗とすると、もしかしたら初段トランジスタ部分の回路なのでは?と見えて来ました。

そうするとTone Bender MkIIのゲルマニウムトランジスタ3石に加えて、初段の後にバッファFETが入るというオリジナルの回路に改善されている可能性があります。

ということでこの動画、実は様々なシーンでTB-2W: Tone Bender の秘密を小出しにされているようで大変に参考になりました。

また動画の中でも説明されているようにBOSSがリリースするペダルとして求められるのは世界中のあらゆる条件で動作することだと思います。

しかしゲルマニウムトランジスタは大きな製造誤差や、温度依存特性を持っていますので、もしかしたら全トランジスタをチェック、例えば電流増幅率hfeやβ値などを計測して3つのトランジスタを最適な組み合わせにして製造している可能性があります。
また、実基板では半固定抵抗で調整して出荷しているかもしれません。(JimDunlopのゲルマFuzzFaceもそうなっています。)

他のBOSSの技クラフトシリーズは全品実音チェックしているそうなので、トランジスタの選定も行なっている可能性がありますが、もしそうであればかなりのコストが発生しますので、そこまでしたこのペダルが実現させたのはBOSSの大英断があったことだと思います。(限定生産の理由はパーツの調達に加えて選別や調整が必要だからかもしれません)

BOSSがゲルマFuzzに興味が持ったのが2017年ということでしたので実質3年も開発期間が必要だったのもうなづけました。

私も最近ゲルマニウムトランジスタのFuzz Faceを作りたくなったのは、このようなトレンドが来ているような気がしたのですが、BOSSがそれに加わって来るとは思ってもみませんでした。

今こそ?今更?Fuzz Face作ろうと思ったわけ

さらに、穿った考えかもしれませんが、いよいよギターのペダルもデジタルシミュレーションの方が幅を利かせる時代が到来しているからこそ、BOSSが原点に戻るプロジェクトとして実現できたのかもしれません。

ということでリリースは来年の初夏頃ということですので、これは久しぶりに新品で購入したくなりました。

FUZZファンの皆様もいかがでしょうか?

そして、私もToneBenderを自作してみたくなりましたのでいずれチャレンジしたいと思います。

追記

BOSSがTB-2WのトークセッションをYouTubeで配信しました。その内容を聞くとこの記事の予測が結構当たっていたので嬉しいです。↓こちらにまとめています。

BOSS Waza TB-2W ToneBenderの回路の秘密?そして生産台数や価格は?映像じっくり聞いて更に判ったこと





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