#FuzzFace#自作エフェクター

LTspiceでFuzzFaceのバイアス電圧の呪縛から解き放たれたい


前回の記事では、LTspiceにFuzzFaceの回路を描き、バイアス電圧だけ確認するつもりだったのですが、実際に動かして見ると、これまで素人の私が理解出来なかったことがシミュレーションで解るようになっていました。のでご紹介いたします。

FuzzFaceのトランジスタのバイアス電圧の呪縛はどこから来たの?

私も含めてネットで回路図を漁っている皆さんは下の図のようなバイアス電圧が記されたFuzzFaceの回路図を見られて参考にされているかと思います。

AC128 FuzzFace Bias

これは前の記事でご紹介した、ELECTROSMASHに掲載されているもので、上の図はLTspiceの回路にその値を転載したものです。

おそらく、ネットのFuzzFace自作記事で、Q1のバイアスは-0.7Vになるトランジスタを選ぶとか、Q2のバイアスは-4.5Vの方が倍音が出るようにトランジスタをセレクトしなければならないという記述を見られているかと思います。

で、これらの値は(おそらくですが)実際に良い音がするゲルマFuzzFaceの実測値ではなく、回路乗数からの計算値、或いはシミュレーション結果のような気がします。(間違っていたら申し訳ありません)

LTspiceでバイアス値を計算してみたら

で、ELECTROSMASHのサイトにあった、ゲルマニウムトランジスタAC128のSpiceデーターを、私のlLTspiceに入れてシミュレーションを実行した結果が下の図になります。

AC128 FuzzFace LTspice Bias Value

ということで、各部の理想の電圧値と、LTspiceでの計算結果は以下の通りになりました。

  • Q1 B電圧 理想値=-0.2V → -0.212V
  • Q1 C電圧 理想値=-0.7V → -0.758V
  • Q2 B電圧 理想値=-4.5V → -4.42V
  • Q2 C電圧 理想値=-0.5V → -0.530V
  • R2とR3の間の電圧 理想値=-8.7V → -8.752V

上の回路のQ1 AC128は(hfe)β=85、Q2はβ=120で定義されていますが、ほぼ同じような結果になっていますね。

もし、バイアス抵抗値がこのままで、この理想値にするにはトランジスタを何本も買って、hfeを計測しかつ差し替えてみてこの理想値と同じになるようにモノが当たるまで探し出す必要があるのかもしれません。

しかし、ゲルマニウムトランジスタが枯渇寸前の現代にはそのような贅沢な使い方は出来ませんし、また合わせたとしてもβやhfe値以外がこの値と同じとも限りません。

結局前にご紹介させて頂いたサイトの殆どは、ネットに公開されているFuzzFace回路の定数を変えた方が良いと書いていますね。

ということでiPadやLTspiceなどのシミュレーターだけで良い音がするFuzzFaceを作ることは出来ないとは思いますが、どこをどのように調整すれば良いかのノウハウになるかと思いました。

LTspice面白い のでもう少し使ってみようかと思います。





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