JLCPCB/JLCCNCで発注するまでの経緯
前の前の記事でエフェクタケース(筐体)をJLCCNCで制作してもらう準備のまとめ記事をポストさせていただきました。
でその次の記事ではJLCPCBでのRATの基板制作の見積もりのまとめていました。こちら
この記事でJLCCNCのサイトでエフェクターケース(筐体)側の制作見積もりしてみます
ということで、この記事ではJLCCNCでは板金のパーツを制作するのにいったいどのくらいの費用が掛かるのかをまとめてみたいと思いますが、まず板金制作で発注するにはCADモデルファイルとしてSTEPファイルを準備することが必要となります。
これは3DCADソフトウェアで筐体を設計し、それをSTEPフォーマットのファイルで書き出したものをJLCCNCにアップロードすることで見積りから発注まで全てオンラインで行うことが可能です。
しかし単純な折り曲げと穴あけの板金加工は簡単にモデリングできますが、例えば箱型の板金加工を行うためには「曲げ逃げ」の形状をモデリングする必要がありますので、CADの板金機能をつかいこなしてモデリングする必要があるのでご注意お願いします。
曲げ逃げの形状がある箱型の板金モデルの例。

こちらは「曲げ逃げ」を追加した板金の展開図

その他、板金には約束事があるようなので、モデリングから発注するまで少しお勉強されることをおすすめいたします。(私も勉強中ですw)
なので、今回はProCo RATの筐体のような単純な並行の板金加工にするとこのような「曲げ逃げ」の形状定義は不必要なので、それで進めることにします。
JNCCNCにアップするSTEPファイルとは
ついでのSTEPファイルについてGoogleさんのAiに聞いてみました。
STEPファイル(.step, .stp)とは、製品のデータ交換を目的とした国際標準の3D CADファイル形式で、異なるCADソフトウェア間で3Dモデルの形状や設計情報を高精度に共有・編集するために使われます。CAD/CAM/CAE分野のデファクトスタンダード(事実上の標準)であり、高精度なデータ保持と高い相互運用性(互換性)が特徴です
ということで、最近の3DCADはほぼSTEPファイルの書き出しに対応していますので、どの3DCADソフトを使っても大丈夫だとは思いますが、ただAUTODESK Fusionの無料版だとSTEPファイルのエクスポートができないようなのでご注意お願いします。
ProCo RAT1の筐体を同じサイズのデータで見積りしてみた
ということで、まずはRATの筐体を採寸してFreeCADでモデル化したSTEPファイルをアップロードしてみました。
まずはアッパーシェルからです。

ちなみに板厚はCADモデル側で3mmに指定しており、ディフォルトではアルミ5052の素材でオプションなしだと993円で作ってくれるみたいです。
勿論ボリュームポット、ジャック類、フットスイッチ、締結ネジの穴もモデルで指定しています。
(ちなみにRATのオリジナルと同じく、タッピングビスを使う想定なので、ネジ部はただの穴です)
これで制作してもらって、自分で塗装やシルクスクリーンを入れられるなどする方はこの価格はかなり納得なのではないでしょうか?
素材を選択するとどうなるのか?
合金鋼でCold Rolled Steel(普通の鉄)を指定すると916円になりました。

ということで、各素材での制作価格はこんな感じです。
- アルミ Aluminum 5052 993円
- ステンレス Stainless Steel 304 1146円
- ステンレス Stainless Steel 304 1038円
- 合金鋼 Cold Rolled Steel 916円
- 合金鋼 Galvanized Steel Sheet 916円
思ったほど素材での価格差はないようですね。
ちなみに、話題のエフェクターが採用しているブラス素材はないようですが、エフェクタは筐体で音が変わるのが通説ですので、これらの素材で制作してみて違いを確かめるのも良いかもしれません。
また、RATの筐体はただの鉄板ですので、オリジナルに忠実に制作するにはCold Rolled Steelを選択という手もあるかもしれません。
表面処理の価格は?
JLCCNCでは塗装、シルクスクリーンによるロゴ入れや表面処理までやってくれるみたいです、但し塗料の色などは数色に定型化されているようです。
ということで、アルミ素材の場合はこのような表面仕上げが選択できるようです。

表面処理:パウダーコーティング(粉体塗装)の追加料金は?
パウダーコーティング(粉体塗装)はこのように、黒、白、赤、黄、緑、グレーの色が選択できます。
また、マットとグロスが選択できます。

でパウダーコート(粉体塗装)の表面仕上げをついかすると、合計の価格は1304円になりました。
311円のアップチャージということですね。
粉体塗装は私のようなアマチュアがやっちゃうラッカーや水性のスプレー缶塗装より耐久性があるようなので、良い選択だと思います。
アルミの表面処理:Conductive Anodizing(導電性陽極酸化)の追加料金は?
Conductive Anodizingは導電性陽極酸化で、色はアルミ色ですがちょっと高級感がでて来るのでしょうかね。
この表面処理を追加すると価格は1798円となりますね。
ちょっとお高いようですが筐体表面に導電性能が追加されますので音に拘るビルダーさんは電子表皮効果が云々などのうんちくを追加するためには良いかもしれません。(しらんけど)

アルミの表面処理:Anodizing(陽極酸化処理、アルマイト処理)の追加料金は?
次にAnodizing(陽極酸化処理、アルマイト処理)を選択してみます。
アルマイト処理はアルミ素材ならではの塗装ではなく表面処理によって美しくカラフルな外観となります。

結果追加料金は1798円となりちょっとお高いですが、アルマイト処理は個人でもできないことはないようですが、危険な薬品とか電気処理の電源や電極とかウォーマーとか準備する必要があるようでかなりめんどくさいようですね。
なのでJLCCNCでは数百円で処理することが可能になりますので、美しいアルミの外観に拘るビルダーさんにはアルマイト処理が気になる処理だと思います。
アルミの表面処理:Hardcoat Anodizingの追加料金は?
更にHardcoat Anodizingはその名の通り、未処理だとやわらかいアルミの表面を強固にする処理のようです。
色は黒色だけ選択できるようですが最高の高級感がある外観になるかと思います。(かもしれません)
価格はさらに高く2707円となりますが。

ステンレスの表面処理の追加料金は?
次にステンレスですが、基本的にはパウダーコートと、ブラッシング処理が選択できるようになります。

ステンレスの表面仕上げなしだと1038円なのでわずか112円を追加することで、ブラッシング処理をしてくれるようなのでこれはお得かもしれません。(好き嫌いはあるかもしれませんが)
合金鋼の表面処理の追加料金は?
合金鋼の表面処理はパウダーコーティングだけ可能なようです。
料金は1227円になりますので、やはりこちらもアップチャージは300円ちょいですね。

ということで、私は今回の発注では素材をアルミニウム5052で、表面処理はパウダーコーティング塗装の黒色を選択してみたいと思います。
本来のRATは合金鋼だとおもいますが、タップねじを使いたいので、まずは柔らかいアルミにしてみます。
注文ロット数によって価格はどうなるのか?
これまでは1個作ったときの見積価格でしたが、同じ形状でたくさん制作してもらった方が1個あたりの価格は安くなる筈です。
なのでまずは、アルミのブラックパウダーコートの仕上げで2個で注文してみました。

すると、板金1個の制作費用が1304円だったのですが、わずか413円プラスでもう1個作ってもらえることになります。
注文数と1個あたりの価格を調べてみた
注文数を増やして、それぞれ見積もって1個あたりの価格を調べてみました。
- 1個 1304円
- 2個 1717円 +413円 (1個あたり858.5円)
- 3個 2219円 +502円 (1個あたり739.7円)
- 4個 2733円 +514円 (1個あたり683.3円)
- 5個 3245円 +512円 (1個あたり649円)
- 6個 3443円 +198円 (1個あたり573.8円)
- 7個 3897円 +454円 (1個あたり556.7円)
- 8個 4353円 +456円 (1個あたり544.125円)
- 9個 4813円 +460円 (1個あたり534.8円)
- 10個 5245円 +432円 (1個あたり432円)
- 20個 9726円 +4481円 (1個あたり486.3円)
- 30個 13785円 +4059円 (1個あたり458.6円)
- 40個 18889円 +5104円 (1個あたり472.2円)
- 50個 23377円 +4488円 (1個あたり467.5円)
1個追加するごとに400円から500円追加されるようですが一定の増加分にはならないですね(。このサイズで素材の面取りの効率の違いなんでしょうかね。)
また多く発注しても1個あたりの価格は下がらないどころか、注文数によっては高くなる場合もあるようですね。
個人的には、1個だと割高感があるのでせっかくなら2個発注するかも。
また6個と10個の時がお買い得のように見えます。(細かすぎてもうしわけありませんw)
(注)今回の形状と表面処理での見積りなので、他の例でこの通りにはならないと思いますので都度ご確認よろしくお願いいたします。
RATサイズのボトム側シェルの見積り
JLCNCの板金でエフェクターを制作する場合、少なくとも上側と下側のシェルを分けでそれぞれ発注する必要がありますので、ボトムシェル側も見積もりしてみました。

アルミで見積もると760円となりました。サイズはアッパーシェルとほぼ同じですが、少し安いですね。
ボトム側は曲げ回数が少なく、穴あけもねじ貫通用の穴4つだけですので、価格もその分安くなっているのかもしれません。
となると、穴あけを自分でやる場合は少しコストダウンが出来るかもしれませんが、私の場合強力なボール盤を持っていないので穴あけ加工は苦痛ですw当然JLCCNCにお願いしたいところです。
ちなみにボトムシェル側の表面処理にパウダーコーティングを追加すると合計1068円となりました。
RATのオリジナルサイズの筐体の板金制作代とりあえずまとめ
アルミ素材パウダー塗装上下で1セット購入した場合
無塗装 916円+760円=1676円
ブラックパウダーコード塗装 1304円+1068円=1セット 2072円
アルミ素材パウダー塗装上下で3セット購入した場合
無塗装 1825円+1412円=3237円 > 1079円
ブラックパウダーコード塗装 2219円+1806円=4205円 > 1セットあたり1342円
ということで、1個だけ制作した場合は、HAMONDのアルミエフェクターケースよりやや高くなりますが、3個制作した場合は(最近ハモンドも高くなりましたので)逆に安くなるということですね!
但し、送料が1300円から2500円くらいかかりますが、国内でHammondの筐体を購入しても送料1000円くらい上乗せされるので、総合的には同じような価格になると思います。
それよりもこの価格で自分で設計したサイズで筐体が作れるのが最高そうですね。
(注)デザインやサイズや穴数他の加工によって価格も異なります。
JLCCNCの送料は?
日本への送料はこのようになっています。

OCSで1300円、UPSで2500円という感じですね。JLCPCBでの基板の送料よりもちょっと高いようですね。
結局送料も考えるとやはり1個(セット)だけ制作する3個以上作成するのがお得のようす。
それにしても個人でもJLCCNCを使うと塗装込みで1セットあたり2000円を切りそうな価格で塗装&穴あけ済みのエフェクターケース(筐体)を制作することが出来るようになったのは素晴らしいですね!!
もしかしたら今後のエフェクタービルダーの方々の作品はHAMMONDの筐体よりJNCCNCの筐体が増えるかもしれませんね。
まとめ
この記事ではRATの筐体をお手本にしたエフェクターケース(筐体)を発注するにあたり、素材、表面仕上げ、ロットするごとの見積価格をまとめてみました。
で結局、アルミでブラックのパウダーコーティングで発注してみます。
さらに、別の筐体も発注したのですが、こちらは更に、シルクスクリーンかレーザーマーキングも追加してみるつもりで見積もりまで完了しています。
しかし、最終的に発注しないと、シルクスクリーンフォーマットのレビューができないようで、まだJLCCNC側の確認ができていません。
というのも、このサービス世界中で大人気(になりますよね)なようで、生産キャパシティオーバーなようで、ここ2日くらい発注できないでいます。

なので無事発注できたら次の記事にしてみたいと思っていますが、このようにエフェクター自作クラスターの方々にとっては画期的な価格のサービスになるので今後ますます需要が拡大するものと思われます。
なので、みなさん!私の発注が終わるまで発注しないでください!!(うそです)
おまけ
公式サイトでは各素材や表面処理の説明のページがありますのでご参考まで。





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