Project JAZZCASTER – by カバ野郎

自作エフェクターとかWarmothのパーツでギターを組み上げるとか、自作エフェクターにチャレンジしてみるブログ。

#TONEXONE#エフェクター#ギターアンプ

TONEX トーンモデル計測 :フェンダーアンプ編

前の記事ではTONEXから提供されているプリセットなどのトーンモデルを計測するのがめっちゃ面白いという記事を投稿させていただきました。

ということでTONEX Oneを購入したら無料で適用できるTONE ModelからまずはFenderアンプのモデルを計測してみました。

でいろいろ計測すると年代別に分けると面白そうだったのでこのように分類して説明いたします。

  • 第一章:聡明期57年頃のツイードのTwinとDeluxアンプ
  • 第二章:近代のリバーブと3トーンスタックトーン回路を追加したTwin ReverbとDeluxe Reverb
  • 第三章:最新の真空管アンプとしてHot Rod Deluxeと3世代でまとめてみました

またグラフはこのように色分けしています。

  • 黒:AMP – OFF / CAB – OFF (ほぼバイパス)
  • 緑:AMP – ON / CAB – OFF (おそらくプリアンプ+パワーアンプの特性)
  • 赤:AMP – OFF / CAB – ON (ほそらくスピーカー+キャビネット+マイクの特性)
  • 青:AMP – ON / CAB – ON (アンシュミ+キャビシュミ)

第一章:聡明期のFenderアンプのトーンモデル

OLD TWIN (Fender Twin Amp 57)プリセットの計測結果

こちらが計測結果です

OLD TWIN / Fender Twin Amp 57 / Fender Twin Amp 57
OLD TWIN / Fender Twin Amp 57 / Fender Twin Amp 57

でプリセットの名称にOldとありますので、57年の Twin Ampを示していると思われます。
そこでFender TwinのWikiページを見ると、1957年に発売されたツイードの80Wのアンプ、、、かもしれません(違っていたらもうしわけありません)

“Big Box” Twin : It was modified in 1957 for more volume, switching to four 5881 power tubes[8] with the more efficient long-tailed pair phase inverter for a power increase to 80W. This “hi-powered,” tweed-covered design continued into early 1960, after the other Professional Series of Fender amplifiers had made the transition to the modern brownface design.

アンプ部の周波数特性(緑線)を見ると400Hz以上を約4dbとわずかに追加されているようです。
とは言え、例のFenderのトーンスタック回路のような極端なトーンコントロールは行われておらず、かなりフラットな周波数特性で10KHzあたりまでちゃんと再生でき特性のようです。

またスピーカーの周波数特性(赤線)もかなりフラットな特性ですね。
Wikiによればスピーカーユニットは Heavy duty Concert Series Jensen P12-N Alnico V blue-dome loudspeakers.という18Wのスピーカーが搭載されていたようです。(このアンプモデルのスピーカーユニットまで記述されていませんがおそらくオリジナルユニットがキャプチャされていることを期待します。)

で12インチという大口径(当時としては標準的なサイズだったのかも)ですので高音までフラットというわけではありませんが、60Hzから5KHzまでほぼフラットです。
スピーカーユニットはジェンセンの「コンサート・シリーズ」ということですので、その名称とおりやはりコンサートホールや映画館用の音楽・音声再生用のスピーカーだったのかも、、、(これも間違っていたらすいません)

ということで、この1957年頃のギター?アンプは、プリ・パワーアンプもスピーカーユニットも未だギターアンプ専用回路やユニットではなく、大音量を出す現代で言うPAアンプ的なものをそのまま楽器用としてコンボアンプにして、高域側のみのトーンコントロールを追加したものかもしれませんね。

更に予測ですが、このアンプのモデルチェンジ前のTV FrontバージョンのTwinアンプが発売されたのが1950年、そしてテレキャスタの原型であるエスクワイヤが発売されたのが1950年と同じ年なんですね。
よって50年代はスティールトップギターを大音量で鳴らすことが出来るワイドレンジな特性のアンプとしてこのように高域をブーストできるアンプだったのかもしれませんね。

DIRT 57 (Fender Twin Amp 57)プリセットの計測結果

DIRT 57 / Clean / Fender Twin Amp 57 / Clean / Fender Twin Amp 57
DIRT 57 / Clean / Fender Twin Amp 57 / Clean / Fender Twin Amp 57

さらに、おそらく同じFender Twin 57の個体を別のセッティングでキャプチャしているものでしょう。

このプリセットモデルのアンプの周波数特性(緑線)を見ると、トーンコントロールを上げてキャプチャした設定だと思われます。

よってこのアンプ+キャビの周波数特性(赤線)を見ると2KHzから4KHzがブーストされた、近代のギターアンプによくある特性に近いプリセットと思われます。

BROKEN (Fender Twin Amp 57)プリセットの計測結果

BROKEN / Drive / Fender Twin Amp 57 / Fender Twin Amp 57
BROKEN / Drive / Fender Twin Amp 57 / Fender Twin Amp 57

これより前の2つの計測結果はClean時のアンプをキャプチャしたのに対して、このBROKENモデルはDrive時(つまりクランチさせた)でキャプチャされたモデルのようです。

でアンプ部の周波数特性(緑色)を見ると200Hz以上がブーストされていますが、トーンを全開にして、更にボリュームもかなりアップ近くにした状態でキャプチャしたんでしょうか。結果歪んでいることで1KH以上が飽和してフラットになっていると予測しています。

Wikiページによればこのアンプの出力は80Wのようですが、スピーカーの耐圧が18Wということで、大音量でよくスピーカーが飛んでいたらしいです。
よってボリューム全開ではなく、クランチしはじめた時点でキャプチャしたんでしょうねー、、、
プリセット名がBROKENなので、壊れる寸前、、、なのかもしれませんねw

TWANG (Fender 57 Custom Deluxe)プリセットの計測結果

TWANG / Clean / Fender 57 Custom Deluxe / Fender 57 Custom Deluxe
TWANG / Clean / Fender 57 Custom Deluxe / Fender 57 Custom Deluxe

このアンプもFenderの50年代のアンプということで、Twin Ampが大型のコンサート用アンプだったのに対して、Delux Ampは小編成のバンド用のアンプだったということです。

で、いわゆるツイードデラックスということでしょうか?同じくWikiで調べてみました

Deluxeは12インチ一発のスピーカーが搭載されいるようですが、周波数特性(青線)をみるとやはりこの時代のスピーカーは高域は苦手ながらそれまではフラットな特性のようですね。
Twinにくらべて低域のピーク周波数が少し上ですが、これはキャビネットサイズがより小容量なことと、Twinは2個のスピーカーがより低域をプッシュしていたのかもしれませんね。

また、アンプの周波数特性(緑色)を見ると、Twin同様にフラットな特性ですね。

57CSTM (Fender 57 Custom Deluxe)プリセットの計測結果

57CSTM / Drive / Fender 57 Custom Deluxe
57CSTM / Drive / Fender 57 Custom Deluxe


前のTWANGがCleanだったのに対して、こちらはDriveということで歪ませているようです。
高域がややブーストされているのはこれもトーンを上げているのでしょうかね。そしてやはりTwinと同じように歪ませるまでプッシュすると低域は少し追従しないのかもしれませんね。

ということで、57年のツイードなTwinもDeluxeはギターアンプ黎明期ということで、フラットなアンプにフラットなスピーカーが組み合わせで、それに高域をブーストしてオーバードライブして得られるトーンがこの時期のアンプのサウンドなのかもしれませんね。(またまた間違っていたら申し訳ありません)

第二章:近代リバーブアンプのトーンモデル

TWINY ( Fender Twin Reverb ) プリセットの計測結果

さて、57年のツイードアンプの特性がわかったことで、次はFenderアンプの代表といえばツインリバーブということで、こちらは3トーンコントロールのトーンスタック回路が搭載されている現代的なアンプ回路になりますね。

TWINY / Clean / Fender Twin Reverb / Fender Twin Reverb
TWINY / Clean / Fender Twin Reverb / Fender Twin Reverb

このキャプチャしたツインリバーブのピーカーの周波数特性(青線)ですが10KHzという結構な高域まで出るユニットが搭載されているようですね。

それに対してアンプ側の周波数特性(緑線)は、例のフェンダーのトーンスタックによって500Hzから800Hzのギターの基音周波数を中心としてカットされていますね。

結果としてツインリバーブ全体の周波数特性(赤色)は低域も高域もそのワイドレンジなスピーカー特性と相まってかなりドンシャリの周波数特性に仕上げられているようです。

ツインリバーブが人によっては使いにくいと言われるのはこのガツンと再生される低域レスポンスとギラギラの高域なのかもしれませんね。

TWIN( Fender Twin Reverb ) プリセットの計測結果

TWIN / Clean / Fender Twin Reverb / Fender Twin Reverb
TWIN / Clean / Fender Twin Reverb / Fender Twin Reverb

このTWINのプリセットはTWINYに対してアンプのトーンスタックがややマイルドな周波数特性(緑線)に設定されているようです。

一方で、スピーカーユニットの周波数特性(青色)はTWINYがフラットだったのに対して、このTWINのプロセットではギターアンプ用の典型的なものが搭載されているようで4KHzにピークがあるユニットですね。

注目すべきなのは、プリアンプの周波数特性(緑線)も高域の周波数ピークをスピーカーと同じ4KHzピッタリと合わせられていること、また中域のドロップ周波数も600Hz付近にぴったり合わせてあることです。
つまりFenderはアンプの特性とスピーカーの特性を合わせて設計しているということですね。
なのでこのようなモデルは無暗に適当なスピーカーユニットに替えてしまうとバランスを崩してしまうことがあるかもしれません。(ただ、ここではキャプチャしたものを観察しているのがシュールですがw)

TWINYではトーンスタックの周波数特性を強調したプリセットですが、このTWINはより使いやすいツインリバーブのアンプモデルなのかもしれませんね。

Just Clean ( Fender 65 Deluxe Reverb ) プリセットの計測結果

Just Clean / Clean / Fender 65 Deluxe Reverb / Fender 65 Deluxe Reverb
Just Clean / Clean / Fender 65 Deluxe Reverb / Fender 65 Deluxe Reverb

Fenderの真空管アンプとして、ライブ用で最も使われているのがこのDeluxe Reverbだと思います。

Deluxe ReveveはDeluxeアンプにリバーブユニットを搭載し、またトーンスタック回路をした近代的な中型ギターアンプということで、こちらもWikiで調べてみました。

The Fender Deluxe Reverb is a guitar amplifier made by the Fender Electric Instrument Company and its successors. It was first introduced in 1963 by incorporating an onboard spring reverb tank to the newly redesigned Fender Deluxe amplifier.

キャビの周波数特性(青線)を見ると、2KHzと3KHzの間にピークがあるギター用のスピーカーユニットが搭載されており、100Hzの付近にピークがあるのはキャビネット特性が加わっているということでしょうかね。

そしてアンプの周波数特性(緑線)を見ると600Hz以上を持ち上げられているのがわかりますね。
デラリバも3トーンのトーンスタックですので、600Hzを中心にトレブルとベースが動く特性ということなんでしょう。

アンプ+キャビの特性(赤線)をみるとやはりギターらしいサウンドを作るとして5Khzから6KHzが盛り上がり、200Hzから800Hzの基音がカットされるチューニングですね。
ただ、ツインリバーブのように尖った特性ではなく、様々なギタリストが安定して使える特性なのかもしれません。

第三章:最新の真空管アンプ

BLKHOLE ( Fender Hot Rod Deluxe ) プリセットの計測結果

BLKHOLE / Drive / Fender Hot Rod Deluxe / Fender Hot Rod Deluxe
BLKHOLE / Drive / Fender Hot Rod Deluxe / Fender Hot Rod Deluxe

まずHot Rod DeluxeのWikiを調べてみました

The Fender Hot Rod Deluxe is a guitar amplifier manufactured and sold by the Fender Musical Instruments Corporation. It was introduced in 1996 as part of the “Hot Rod” line of guitar amplifiers and has been in continuous production since. The Hot Rod Deluxe is a modified version of the Fender Blues Deluxe from the earlier Blues line of amplifiers, and has a higher level of gain in its preamplification signal.

Hot Rod DeluxeはFenderの2002年に発売されたということで、真空管アンプとしては最新の部類と言ってよいと思います。なので1996年のHot Rodにゲイン回路を追加して、クリーンから歪までカバーでき、小規模のライブ用からご家庭での練習用として米国では一家に一台的な最も売れ筋のフルチューブアンプということですね。

アンプ部の周波数特性(緑線)を見ると、ギターアンプトーンスタックの周波数特性として典型的なカーブを描いていますね。

スピーカーは12インチ一発ですが周波数特性(青線)を見ると100Hzにピークがありますがおそらくこれはキャビ特性が合わさったもので、低域の周波数は他の上級アンプよりもマイルドなスピーカーにみえます。

ということで、アンプ部の特性とあいまってトータル(赤線)をみるとまさにギターアンプとして典型的な周波数特性が出ていますので、まさに、そのような状況でもクリーンからドライブまでまさにFenderらしいギターアンプの音が出るアンプとして買って間違いない安心して使うことが出来るアンプということですね。

TONEXのFenderアンプモデル計測まとめ

3世代にわけてTONEXのFenderアンプモデルを計測してみましたが、めっちゃ面白かったです。

ギターアンプといえばFenderがその始祖となると思いますが、初期のアンプはホールや映画館のアンプとスピーカーをベースにして高域を持ち上げて(おそらくですが)スティールギターのキラキラサウンドが出るようにチューニングされているようでした。(間違っていたらもうしわけありません)。

そして、完全にエレキギターが普及した60年前後に更にエレキらしいサウンドが出るように3トーンスタック回路とリバーブが搭載され、エレキギターのサウンドがアンプも含めて確立されたということも見てとれました。(間違っていたら申し訳ありません)

更に、現代のFenderの真空管アンプではその歴史的ギターサウンドの基本特性が踏襲され、ゲインとマスターボリュームの追加がディフォルトになったということなんでしょうね。

ということで次はFender以外のアンプの計測結果の記事もアップして行けたらと思いますのでよろしくお願いいたします。

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