スムーステーパーポット or ハイパスコンデンサの特性をシミュレーションで勉強してようとしたらハマってしまった


スムーステーパー回路ってなんなの?

前の記事ではギターのボリュームとトーン回路をシミュレートしました

その流れで、ボリュームを絞ってもハイ落ちしないといううスムーステーパー回路もサクッとシミュレートしたくなりました。

スムーステーパーとして販売されている製品を見ると、どうやらギターのポットにコンデンサと抵抗を付けるだけです。

アマゾンでスムーステーパーで検索するとこんな感じで出てきます。

抵抗10円、コンデンサ20円で買えるのになんでこのお値段~?なんていわないでくださいね(^^
パーツを購入しに秋葉原へ行くと電車賃も掛かりますし、油断してカフェとか行っちゃうとすぐに500円位吹っ飛びそうです。
通信販売で購入してもパーツ代の10倍くらいの送料がかかります。
そんなこと考えるとまぁ納得?のお値段ですよね。ですよね。

しかし!”スムーステーパー”でググってみると、日本語の記事はたくさんヒットするのですが、”guitar smooth taper”でググっても海外の記事は全然ヒットしないんですよ、、、、もしかしたら日本だけ?(^^

スムーステーパーじゃなくってトレブルブリードだった

で、検索キーワードを”ハイパス コンデンサ テレキャスター” などで調べて行くと、Seumors Duncan様のブログの記事がヒットしました。こちら

トレブルブリードという表現がされていました。

で、トレブルは高音ですが、ブリードって”出血”なんですね、、、つまり高音出血サービス(^^という感じでしょうかねw

で、この記事を読ませて頂くと、1960年代のテレキャスターは1MΩボリュームポットに1000PFのハイパスコンデンサが付けられていたがかなりクセが強かった。
そこでハイパスの動作をマイルドな効きにするために抵抗を追加したのが、トレブルブリード回路ということみたいです。

60年代テレキャスターのハイパスコンデンサをシミュレートしてみた

ということで、トレブルブリードの原点に立ち返る意味も込めてまずは、1960年代のテレキャスターのハイパスコンデンサの動作をシミュテートしてみることにしました。

で、まずは基準ということで。1MΩボリュームポット、500KΩトーンポットだけでハイパスコンデンサが付けられていない状態で、トーン全開でボリュームを絞って行くシミュレーションした結果がこちら。

前回のトーン回路シミュレーション記事では、ストラトのボリュームポットを250KΩから500KΩにすると、

  • ボリュームがフルで高域での共振によるピークが強くなる。
  • ボリュームを絞ると逆に高域がより減衰する

という結果になっていましたが、今回ボリュームポットをより高い抵抗値の 1MΩにするとその傾向が更に強く出るようでボリューム全開でかなりのピークが出ますね。

そして、60年代テレキャスターと同じボリュームポットにハイパスコンデンサとして1000pFを付けて、同じくトーン全開でボリュームポットを絞って行くシミュレーションした結果がこちら。

もう、ボリュームを絞っても高音域だけ残るという凄いことになってますね(^^
(ちなみに、ボリュームをゼロでは当然音量も0になります。)

次に、トーンを絞った状態でシミュレーションしてみます。
トーン全開で500KΩを50KΩにしてトーンを絞った状態(Aカーブなのでツマミ半分以下)、ボリュームポットを変化させるシミュレートしたのがこちら。

ボリューム全開時でフラットになります。そしてボリュームを絞って行くとマイルドにベースカットされます。

つまりまずトーンを絞っておいてフラットな状態を作り、そこからトーンを上げて行くとトレブルブースターのように使えるということで、この使い方もいいのかもしれませんね。

このように1960年テレはボリュームとトーン両方をコントロールしてトーンカーブを複雑ですが多彩にトーンコントロールできるということが判りました。

おそらくですがTelecasterのハイパスコンデンサ付のボリュームポットは、ベースを絞る為のものだったようで、これは、1960年代の、ロカビリー、ナッシュビルサウンド、カントリー・ロックの時代と思われますのでとにかくギンギンのサウンドが必要だったからだと思われます。

60年代テレキャスターのハイパス付きの回路をまとめると

  • ボリュームMAXで発生する周波数共振で高域ギンギンにするため1Mのボリュームポットが付けられている。
  • 1Mのボリュームポットは絞ると逆に高域が急激に減衰するので、それを防ぐ為にハイパスコンデンサが付けられた。
  • 結果ボリュームを絞るとベースだけが落ちて行くようなハイパス回路となり、更にギンギンのトレブリーなサウンドが出せるようになった。

で更に面白いのは、それ以前のスクワイヤやブロードキャスターは、セレクタスイッチで動作するハイカットコンデンサが付けられていることです。
これはリズムを刻む為のベースサウンドを出せるようする為だそうで、ローカットする60年代テレはそこから180度方針転換となったとも読み取れます。面白いですね!!

とにかく、スクワイヤ、ブロードキャスタ、テレキャスターは、時代の音楽に応じてコンデンサーで音創りが行われていたギターであるということも言えると思います。

ということで、スムーステーパー回路を確認しようとしたら、60年代のテレキャスターのサウンドを調べていたwwwことになりましたが、気を取り直して、スムーステーパー、、、いやトレブルブリード回路について調べて行きます。(やっとw)

トレブルブリード回路には3つの種類がある

こちらの動画は英語ですが、トレブルブリードの3種類の回路について説明されています。

  • Duncanタイプ ー  コンデンサと抵抗を並列接続する
  • Kinmanタイプ ー コンデンサと抵抗を直列接続する
  • Simpleタイプ  ー 60年代Telecasterと同じハイパスコンデンサ

ということですね。
DuncanタイプもKnmanタイプも共にハイパスコンデンサだけではクセ強い動作をよりマイルドにして使い易くする目的のようです。

Simpleタイプのトレブルブリード回路をシミュレーションしてみた

まずは、Simpleタイプのトレブルブリードでコンデンサはどのような役割なのかを確認してみました。
基本60年代のテレと同じ回路ですが、ポットが250KΩでハイパスコンデンサが250pFと大きい容量になっています。

60’テレは1Mポットでしたので高域に強いクセが現れていましたが250KΩポットなので、より大人しいハイパス回路になっていますね。

次はコンデンサを500pFにしてみると、より早い段階からトレブルが残り、その周波数も少し下になっていますね。

更に、コンデンサを1000pFするとより高域側が残り易くなりますが、その周波数は下がっていきます。

次はハイパスコンデンサを2500pFに

ここまで来るとトレブルブリードというよりもミッド領域が残って行くという感じかもしれませんね。

Duncanタイプトレブルブリード回路をシミュレーションする前に

ダンカンタイプはハイパスコンデンサと並行に抵抗を接続します。

で、まずは抵抗の役割はどうなのかを確認する為に、コンデンサを外し抵抗の役割ををシミュレーションしてみます。

抵抗値を100KΩの時と250KΩの結果をサイドバイサイドで並べてみたのがこちら。

このように、抵抗値が小さい方がボリュームがあまり効かなくなるということですね。

ただ、通常のボリュームポットはAカーブですので、最初にものすごく抵抗値が減ります。それに抵抗を並行に接続するとAカーブが少しマイルドにするという感じだと思います。

Duncanタイプのトレブルブリード回路をシミュレーションしてみた

上の動画に出て来るハイパスコンデンサと並列の抵抗値でDuncanタイプの回路を作ってみました。

ハイパスコンデンサ2000pF、並列コンデンサ100KΩですが結果はこんな感じです。

トレブルブリード回路によって、ボリュームを全開時の高域の共振状態のままボリュームを下げることができるのが判りました。

次にGeek IN BOXさんのコラム記事を参考にさせていだき増田。
この記事で詳細されているダンカンタイプの各社スムーステーパーのコンデンサと抵抗値でシミュレートしてみます。

StewMacで販売されているトレブルブリードのコンデンサは1200pFで抵抗は130KΩで、Duncanタイプよりコンデンサが小さく抵抗値が少し大きくなっているようす。

コンデンサ容量値が小さいのでやはりピークが少し高域によっていますが、その分ボリュームを絞ってより高い周波数が残るようで、そこまでの遷移もスムースでDuncanの値よりこちらの方がよりナチュラルかもしれませんね。

次はFenderのトーンブリード回路です。ハイパスコンデンサの容量値は680pFで並列抵抗は220KΩです。

更にコンデンサの容量がより小さくなり、抵抗値は220kΩと大きくなっています。

ここで先にやった抵抗だけのシミュレーションが役に立ちます。
並列につける抵抗の値が大きい方がよりボリュームが効くようになるので、低音の音量がよりカットされていますね。

このように並列につける抵抗値を小さくすればするほど、ハイパスコンデンサの効きをマイルドにするということですね。

次はヒューマンギアのトーンブリード回路ですが、コンデンサ値が2500pFと更に大きくなっています。

よって、絞った時のピークはよりミドル寄りになり、抵抗値も大きいことからその下の低域がより削られていますね。
これだとボリュームをかなり絞った時少しミッドレンジが強調される感じだと思います。

これらのことからダンカンタイプのトレブルブリーダー/スムーステーパー回路は

  • ボリュームを絞った時に残るハイ成分の周波数をコンデンサによって決める。
    • 680pF〜2500pFでコンデンサ容量値をが小さい方がより高域が残る。
  • 並行に接続された抵抗の値を下げるとトレブルブリード効果がよりマイルドになる。
    • その代わりちょっとボリュームのレスポンスが悪くなる。

なので皆様が自作される時は、まずハイパスコンデンサの値を決めて、抵抗値(実際は100KΩ~250KΩ)を決められると良いと思います。

キンマンタイプのトレブルブリード回路をシミュレーションしてみた

Kinmanのこちらのページで解説されています。上の動画もKimanの動画ですね。

ハイパスコンデンサに抵抗を直列接続したのが、Kinmanタイプのトレブルブリーダー回路です。

ハイパスコンデンサの容量値が1200pFで直列抵抗が130KΩの時のシミュレーション結果はこんな感じ。

ダンカンタイプのトレブルブリードでボリュームを絞って行くことで高域のピークを残したまま低域はフラットにカットされていましたが、キンマンタイプでボリュームを絞って行くと低い周波数だけカットして行くようですね。

おもしろいですね。

ハイパス/スムーステーパー/トレブルブリード回路まとめ

今回は、ボリュームを絞ってもハイ落ちを防ぐという、スムーステーパー回路を簡単にシミュレーションして見るつもりが、60年代Telecasterのバイパスコンデンサ行き着きました。
そしてそのハイパスの複雑な動きが確認できました。
次にスムーステーパーとよばれている回路は日本だけ(かもしれない)で海外ではトレブルブリード回路だということが判り増田。
そのトレブルブリード回路はDuncanタイプとKinmanタイプの2種類あるということが判りました。
でこれらを全部シミュレーションすることになりハマッてしまいましたね。

ということで一応まとめると、、、

  • ボリュームにバイパスコンデンサを付けるハイパス回路はクセが強いので使い方を注意
  • ダンカンタイプはマイルドでより実用的だけど抵抗値を下げるとボリュームのレスポンスが悪くなる
  • キンマンタイプはハイパスでは無くローカット的な動きになる

いかがでしょうか? たかがハイパス回路、されどハイパス回路は深いですね!(^^

すぐに終わらせるつもりがすっかりドツボにハマってしまいました(^^

p.s. 結局スムーステーパーって、、、

もう蛇足で更に長くなって申しわけないのですが、スムーステーパーってもしかしたら、ダンカンつながりでコレの名前を勘違いされちゃったのかも、、、、

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