やっと完成!HikisuGit #01 パーツ選定から組み上げ音出しまで


ビンテージギター&アンプ&ペダルで有名な @ikisugita_DIY さんとの共同プロジェクトのHeathKkit TA-28 Fuzzクローンの、HikisuGit の初号機 #01が完成しましたので、パーツ選定、組み上げ、スタジオでの音出しまでをご報告いたします!

トランジスタは色々使えることが分かりましたが、、、

HeathKit TA-28 Fuzz 回路に使われているトランジスタは2個です。
これらいずれもシリコントランジスタで初段はNPN、そして二段目はPNPコンデンサが使われているという特殊な回路になっています。

ちなみに、FuzzFaceの場合はゲルマニウムトランジスタ版は2個ともPNPが、シリコントランジスタ版は2個ともNPNです。

そして、幾つかのトランジスタ候補が出ていますがそれぞれ良いところがありますので試作機を使って色々搭載してみました。

抵抗&コンデンサパーツの測定を行いました

HikisuGitに使うコンデンサと抵抗は全てLCRマルチメーターで計測して組んでいます。

前回2つの記事でHeathKit回路で使うカップリングコンデンサ、0.1μF(入力)と10μF(出力)の計測結果を報告させて頂いております。

この計測の目的はあくまでも基準値を得る為であって、数値性能が高いだけの高性能パーツを選ぶということではありません。
Fuzz回路は最新最高のパーツで組むと絶対いい音しませんw

で結局このように最終のパーツを仕入れています。

1. 初段カップリングコンデンサ

みなさんご存じのトロピカルフィッシュコンデンサを選択しました。

このコンデンサは70-80年代に製造されたMullad/Philips製のポリエステルフィルムコンデンサということです。

これは所謂マイラーコンデンサーですね。

マイラーコンデンサー は最も一般的なコンデンサーなのですが”Mullad製”、”70年代”、”NOS”、そして”トロピカルフィッシュ”というキーワードが付くだけで何か魔法があるのでは?という感じにさせてくれるんですよねw

一方、これまで試作して来たHikisuGitには日本製のNOSの0.1μFのマイラコンデンサを使いましたが、これはこれで音的には最高にマッチングしています。

このコンデンサはニットク製でおそらく2000年以前で信頼性も最高のコンデンサです。計測しても殆ど劣化はありません。
欠点は外観が地味なダークグリーンで丸っこいカタチなので、まぁクロレッツということですw

勿論オリジナルのHeathKit Fuzzの基板の見ると地味な茶色のマイラーコンデンサが使われているケースが多いようです。
本物の完コピを目指すなら地味なマイラーの方が良いかもしれませんね(^^

ただ、やはりペダルの基板としては華が必要であるということで、トロピカルフィッシュコンデンサーはそれを演出するのに最高の存在になります。

ただ外観だけでこのトロピカルフィッシュコンデンサを選んだというわけでもありません。

実は、Q1トランジスタ前にあるパーツは、ノイズアンテナになるということが判っていました。
そこにパラポラアンテナみたいな形状のサークルDタイプのセラミックコンデンサを付けるとまさにノイズアンテナになっていたのです。

こちらの記事でカップリングコンデンサについて書いています。

でトロピカルフィッシュコンデンサは、このあたりの容量であれば比較的コンパクトで全高が低くノイズを受けなさそうす。(更に大容量になるといきなり大きくなるのですが)
またリード線間のサイズがちょうど抵抗と同じで基板の収まりが良くレイアウトが楽でした。

次に何故マイラーコンデンサーなのかというと、Fuzz回路の初段トランジスタのカップリングコンデンサの前に少し抵抗値があった方がノイズに強いというのがあります。

TGPの掲示板でFuzzツマミMaxでギターのボリュームを絞った時に何故ノイズが増加するのか?という話題が掲載されています。

A very small amount of series resistance (~1-4.7k) at the input usually solves this problem.

Via : TGP – How to remove Si Fuzz Face noise when guitar vol is down?

その解決策として1K〜4.7KΩの抵抗を挟めば良いと書かれています。

このボリュームゼロで発生するノイズの原因を推測すると、ギター側のボリュームを0にするとケーブルの遠端がアースに接続されることになります。
その結果ケーブル自体がループアンテナとなり信号源になる、つまりノイズピックアップとして接続しているようになるからだと思います。そこに直列抵抗値を付けると、それがダンピング抵抗となりノイズが信号源に入って来ないのではと予測しています。

なので、必ずしも抵抗が少ないケーブルとかコンデンサが良いとも限らないのではと思います。

で、0.1μFのフィルムコンデンサを計測すると直列抵抗値(ESRなんて呼ばれていますね)が0Ωというのがあります。ポリプロピレンコンデンサがESR少ない(0~0.5Ω)ですね。
で一方のマイラーコンデンサは、直列抵抗値が必ず数Ω出てきます。

また、音的にも高性能コンデンサはつまらないという(個人的な)法則があります。
で当初HeathKitの試作で初段にポリプロピレンコンデンサ使ってみた時はどうしても、オリジナルのあの温かいサウンドが出ませんでした。またボリュームを絞ると盛大にノイズが出て来ました。

なのでFuzzにおいては全て最高性能のコンデンサを使えば最良の音が出るのではなく、どのパーツの特性をどれくらい落とすか、というのが作戦(^^になると思いますので、今回はマイラーコンデンサ、そして見た目に綺麗なトロピカルフィッシュコンデンサを選択しました。

ただ意外だったのは、1980年代に製造されたトロピカルフィッシュコンデンサってマイラーの中では意外と高性能だったことですw

2. 出力カップリングの10μF電解コンデンサ

いきすぎさんの、HeathKitミラクル個体で、10μFのELNAのアキシャルコンデンサが使われていました。
で今回偶然にも同じコンデンサをNOSで入手出来たのです。

でこのコンデンサも計測しましたが、まぁ電解コンデンサはどれも同じように性能が悪いということですw
それに対してAudio用電解コンデンサは若干(ほんの少し)性能が高いようですが、同時に計測したマイラーコンデンサ(WIMA MKS)の方がまさに桁違い圧倒的に高性能なので、それと比較するとAudio用の電解コンデンサも普通の電解コンデンサも大差ないことが多いですね。

なので、まぁオリジナルと同じコンデンサが手に入ったのだから黙って使うことにしました。

また、このELNAのコンデンサはMade in Japanというのもあります。
最近はこのような日本製の小型のアキシャルタイプ(横置きできる)電解コンデンサがほぼ絶滅していますので貴重な存在です。

結局、これも”日本製” “NOS”という魔法のキーワードが使いたいということなんですがw

ちなみに、現在アキシャルリードタイプの電解コンデンサについては、Visihay ASM、Sprague TVA ATOM、ILLONOIS ILL、Unicon(GRMMY台湾)などのコンデンサが入手出来ます。

3. エミッタ接地の100μF電解コンデンサ

このコンデンサはトランジスタの増幅回路では必須ですが、ことFuzz回路に関しては歪みや音質の演出について影響が出てくるパーツです。

で、試作時にここも最新のオーディオ用コンデンサを使って見たのですが、ちょっとキツい感じでツマラナイ音になりました。

で、ELNAのNOS 10μ電解アキシャルリードタイプのコンデンサが偶然に入手出来たと同じにこの100μFも偶然にELNA製のNOSが数個だけ入手できました。

計測結果も最新のコンデンサと変わりません。また試作時に使って見ても良い音になりましたので文句なしです。

4. トーン回路のコンデンサ

このトーン回路のコンデンサはこれまでの流れとは逆に高性能のコンデンサを奢ってやります。
しかし、(普通に手に入れることができる)最高のコンデンサWIMA MKP 積層メタライズドポリプロピレンということになりますが、この基板の雰囲気にここだけモダンなボックス形状のコンデンサは似合いませんw

なので、黄緑色の”かわいい”丸っこいカタチのドイツ製のポリプロピレンコンデンサを選択しました。これも形状からしておそらくNOSと思われます。

実際に計測してみると、立派なポリプロピレンコンデンサとして計測検出限界ギリギリの高性能値が出て来ました。

外観はビンテージなのに中身は現代でも最高性能のコンデンサということで、最高ですw

こちらも”NOS”、”ドイツ製”、”かわいい”というマジックキーワードですね!

ちなみに、試作時に、マイラーとポリプロピレンの2種類作ってみましたが音はほぼ同じでした(^^

5. トランジスタ増幅回路周りの抵抗

試作時にも記事にさせて頂きましたが、HeathKitの回路ではFuzzの定番とされるカーボンソリッド抵抗ではあまりにも誤差が大きすぎて今回は使えないと判断しました。

なので誤差1%の金属皮膜抵抗、そして一番大切な外観は、まるでフェラーリのようなw真っ赤な外観のPRPの金属皮膜抵抗にしました。
価格はちょっと高いですw

ちなみに試作機では、千石電商さんで購入出来るタクマン製の一本10円の金属皮膜抵抗を使っています。

でPRPの抵抗もタクマンの抵抗も全部計測しまししたが、全て1%以内の誤差で合格!ただ、若干タクマンの10円の抵抗の方が精度が高かったですw

6.トーン回路周りの抵抗

トーン回路周りの抵抗はそれほど高い精度は必要無いので、こちらはFuzzのセオリー?ということでカーボンソリッド抵抗を使いました。

ここに選んだのはAllen Bradley のカーボンコンポジットです。

“アーレンブラッドレー”や”カーボンソリッド”という単語もカッコいいので最高ですね!

ただ、実際に計測してみると見事に10%以上ズレていました。

7. ユニバーサル基板

オリジナルのHeathKitにはプリント基板が使われています。
プリント基板の良さは、簡単に失敗無く作れるというのもあるかと思いますが、グランド部分の銅箔の面積が多いのでノイズ的に有利であるということだと思います。

今回HikisuGitのボディは3Dプリンタ製の樹脂筐体ですのでノイズ対策が必要です。よってプリント基板もノイズが少ない方が良いに越したことはありません。

なので基板レベルでノイズ対策を徹底する為に、銅箔部分が多いメッシュシールド基板にしてみました。

上の写真のように全てのランド周りにアースパターンメッシュ状に回り込むようになっています。

更に、プリント基板のようにGNDアースの面積を増加させる為に、サンハヤトの磁気ガードという粘着銅箔シートをカットして貼ってみました。

このように出来るだけプリント基板の低ノイズ性や、音も再現するようにしています。

そんなこんなで基板が出来上がって来ました。

8. 筐体内部は銅箔貼った

もう色々ノイズ対策したのですが、もうここまで来たんだから最後に筐体内部に銅箔を貼ることにしました。

これもせっかくならということで基板のオーソリティであるサンハヤトさんの 磁気ガード 銅箔 T-160C という粘着タイプのものを選択しました。

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ちなみに、銅は非磁性体なのですが商品名が”磁気”ガードになっているのが謎ですね。

9.内部配線材

前の試作機のところでも書きましたが、ノイズ対策&音作りとして内部配線はシールド線を多く使いました。

そしてモガミの内部配線用の赤いシールド線を発見したので(黒いのもあったけどw)、抵抗も赤にしたということもあり配線も目立つように赤いシールドにしました。

このケーブルはシールドケーブルとしてめちゃめちゃ柔軟で配線が楽なのですが、その代わり耐熱性が低くハンダ付けが難しかったですね、すぐ溶けますw

HikisuGit #01 やっと完成!

ということで、@ikisdugita_DIY さんに送らせていただくシリアルNo.#01機が完成いたしました!

左側が、試作機で、右側が Hikisugit #01ですw
サイドにVolを付けるなどの加工を行いましたので、キズ付かないようにマスキングテープ貼ったままでスタジオに持って来ました。

そして、音出ししてみました!

ちゃんと音が出て、やっと完成氏一安心という感じです。
それよりも、1.5V 単三電池1本でなかなかお気に入りの音になって、手前味噌ながら感心してしまいました。

自分専用のペダルを作る場合は、結果まぁこんなもんかー、、、っていう感じでフィニッシュしますがw流石人にお渡しするのは、出来るだけ問題を解決した上で、ということで時間が掛かってしまいましたw

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