欧州(EU)でのフェンダーストラトキャスターボディデザイン著作権保護裁定についてちょい絡み

Fender 著作権裁判に勝利 #Fender
Fender 著作権裁判に勝利

先週、Fenderの欧州(EU)でのストラトキャスター・ボディ著作権裁定についてYouTube、SNSやWebサイトなどでかなり話題になりましたので、当ブログでも記録に残しておきたいと思いましたのでこの記事をポストしました。
まずは、チャッピー君に今回の裁定についてまとめてもらいました。

ChatGPT : Fenderの欧州(EU)でのストラトキャスター・ボディ著作権裁定まとめ

経緯

  • 2026年3月、ドイツ・デュッセルドルフ地方裁判所は、Fenderのストラトキャスターのボディ形状を「応用美術作品(work of applied art)」として著作権保護の対象と認定しました。
  • 訴訟相手は中国のギターメーカーで、AliExpress経由でEU向けに販売していたストラトコピーが問題となりました。
  • 裁判所は、ストラトのボディが単なる機能形状ではなく、創作性を持つデザイン表現であると判断しました。
  • その結果、FenderはEU域内に流通するストラト型コピーに対して著作権侵害を主張できる立場を獲得しました。製造国がEU外でも、EU向け販売なら対象になり得ます。
  • この判決を受け、Fenderは複数のSスタイルギターメーカーへ警告書(Cease & Desist)を送付し始めています。

重要なポイント

  • 商標権ではなく著作権の判決です。Fenderは過去に米国でストラト形状の商標登録を試みましたが、広く一般化しているとして認められませんでした。今回の勝利は別の法理(EU著作権法)によるものです。
  • 現時点ではドイツ裁判所の判断であり、今後の上級審や他国裁判所での争いによって解釈が変わる可能性があります。
  • 判決が維持されれば、EU市場では従来型の「ストラトコピー」販売が難しくなり、各社はデザイン変更やライセンス契約を迫られる可能性があります。

一言で言うと、

「ストラトキャスターのボディ形状がEUで著作物と認められ、Fenderがコピー形状に対して法的権利を行使できるようになった」

というのが今回の裁定の核心です。
チャッピー君ありがとうございました。

海外のギター系YouTuberは即座に一斉に本件への反応を示しましたが、多くはFender社への失望のメッセージを送る動画が大量にアップされました。

Fenderがおかれている現状を考えてみた

私なりに現時点でジェネリックストラトキャスターに関連してFenderが置かれている状況について気がついたポイントをまとめてみました。

データとNC工作機>ストラトのコピーを簡単に安価に製造できる

ストラトキャスターをはじめ、Fenderの主要なギターベースの3D CADデータがすぐに入手できるようになっています。
有料のデータもあるようですがRedditのルシアーコミュニティでもオープンソースのStrat/Teleテンプレート集が紹介されています。
小規模な製造メーカーでもNCルーターさえあれば、このようなデータを使って少なくとも見た目はFenderとまったく同じ形状のギターもどきをすぐに製造できる筈です。
しかも高価なギターも安価なギターも結局NCで加工している部分は同じ精度で仕上がると思います。(少なくとも新品時は)

中国の販売サイトの台頭>世界中に製品がばらまかれている

中国の物流の効率化とグローバル化によって大量に製品を安価にしかも短時間で世界中にばらまけるようになった。これはFenderはおろか歴史やクオリティを有するギターメーカーにとっても脅威なわけで、業界全体でも危機的な状態にあると思われます。

Fender人材流出が激しい>技術流出+ブランド流出

安価なギターのみならず、ハイエンドのFenderジェネリックギターもかなり台頭していますよね。この背景として、Fender社からの人材流出も大きな要因があると思われます。
ここ最近、Fenderのマスタービルダーが退職するケースが多いと思いましたので、ChatGPTで代表的な例を調べてみました。

  • Suhr Guitars
    • 創業者の John Suhr は1980年代にFenderカスタムショップで働いていました。
    • 現代的な演奏性とヴィンテージFenderの融合という思想は、Fender経験が色濃く反映されています。
  • Pensa Custom Guitars
    • John Suhr が在籍していた時代があり、その後のSuhrブランド誕生につながりました。
  • John Page Classic
    • John Page が設立。
    • Fender Custom Shop創設メンバーの一人です。
  • Fano Guitars
    • 直接Fender出身ではありませんが、元Fender関係者との交流や設計思想の共有が知られています。
  • Luxxtone Guitars
    • Fender系ハイエンド市場で活動しており、元Fender系人脈との結びつきが強いブランドです。
  • Grosh Guitars
    • 創業者の Don Grosh はFenderカスタムショップ創成期に在籍したビルダーです。
  • GVCG および b3 Guitars
    • Gene Baker はFenderカスタムショップのマスタービルダーとして著名でした。
    • 独立後も非常に評価の高いSタイプ/Tタイプを製作しています。

また、近年では元Fenderマスタービルダー本人がブランドを持たずに、

  • 設計顧問
  • 限定モデル監修
  • 木材選定監修
  • エイジド加工監修

として複数メーカーに関与するケースもあります。

LsL 特に注目すべきなのは、Chris Fleming です。
Chris FlemingはヴィンテージFender研究の第一人者として知られ、

  • ネック形状
  • ボディシェイプ
  • ラッカー塗装
  • エイジング
  • 50〜60年代仕様の再現

に非常に強い影響力を持っています。
そのためLsLが「単なるストラトコピー」ではなく、「本物のヴィンテージFenderを理解したギター」と評価される背景には、こうした人脈や知見の流入もあると考えられます。

ありがとうチャッピー君、
これらの多くはビンテージストラトキャスターやテレキャスターを再現したモデルが当然売れ筋になるということですね。
そしてユーザーに対してはこのようなマスタービルダーが関与するギターメーカーは当然Fenderの上位のイメージが与えられると思います。

市場の飽和>新品が売れない

70年以上の間ストラトキャスターが販売されています。これもChatGPTに総販売本数を予測してもらいました。

1954年の発売から2026年までに生産されたストラトキャスターは、おそらく1,200万~1,800万本程度。その中でも私の中心予測は、約1,500万本前後

1954~1964(レオ・フェンダー時代) 15万~25万本
1965~1984(CBS時代) 100万~150万本
1985~1995(FMIC再建期) 100万~200万本
1996~2010 300万~500万本
2010~2026 600万~900万本

また。ストラトキャスターはSquierを含めれば、累計2,000万~3,000万本超に達していても不思議ではありません。
エレキギターは30年くらいは使えるはずですが特にFenderブランドのギターの残存率はかなり高いと思われます。

次にギタープレイヤーの人口もチャッピー君に調べてもらいました。

  • 保守的推定 約2,000万~3,000万人
  • 標準的推定 約3,000万~6,000万人
  • 上限推定 約1億人

ジェネリックストラトも更に大量に残っているとして、これらのストラトとギタープレイヤーはほぼ同数という関係が見えてきます。こういう状況で更に新品を売るというのも難しいですね。

ビンテージ、中古の需要拡大>メーカーの利益損失

ギタリストにとって新品よりもビンテージギターを持つということが憧れになっている時代ですね。つまりハイエンドギターを購入するよりも同じ価格であればビンテージギターを購入するという気持ちも理解できます。
さらに70年間以上ストラトキャスターの構造はほぼ同じですので、ビンテージほどではなくてもよい中古さえ見つければ新品を購入する必要はないということですね。
また、ギターを販売する側も新品の場合メーカーの圧力(販売ノルマ、利ザヤ)などを受けながら販売するよりも、個人から言い値で仕入れたギターを確実に利益を載せて販売することができるのですから中古販売、ましてはビンテージギターの販売はかなり美味しいということだと思います。

リイシュー、アーティストモデルに頼る>手を変え品を変え

スタンダードなストラトが市場にあふれていますので消費者に新品を購入していただくためにはまず憧れのビンテージのリイシュー、、、それも一巡して食傷気味となると、アーティストモデルやシグネイチャーモデル、限定モデルを出すことで、消費者がもう1本欲しくなるスペシャルなストラトをラインナップするというルーチンが続けられているように思えます。
そうすると、アーティストへのロイヤリティ費用、プロモーション費用、モデルチェンジによるコスト増加が製品コストに上乗せされますが、まぁ高いギターが売れれば良いのですが、いったんそのサイクルに陥ると高いのに中身は同じものを売るためには更にプロモーションに頼るということになります。結局昔のままのギターを手を変え品をかえて販売するということですね。

ネットでギターを購入する時代>メーカーのガバナンスが聞かない

昔のギターメーカーは実店舗販売を掌握することで売り上げを伸ばしていたと思いますが、現在は多くのユーザーがネットでもギターを購入することができます。
ネット販売店は仕入れが安く、安価で販売できて数が出る商品が欲しいということだけなのすが、それを好ましく思わないギターメーカーはネット販売店へのガバナンスを利かすことが難しくなっていると思います。

有名ミュージシャン、インフルエンサー便り>契約合戦

テレビも見なくなった時代にYouTubeで何万、何十万のフォロワーを有数するインフルエンサーやミュージシャンにバズらせることがメーカーにとってとても大切なことになっていると思われます。
そこで大切なのは有名アーティストとの契約ですよね(昔からそうですが)、
あるミュージシャンが契約メーカーをころころ変えるということはこの時代とても目立っていますね。
日本でも最近ブティック系のギターや国産メーカーを使っていたミュージシャンがFenderお抱えアーティストにいきなり転身するということが多発しています。
その逆が、今現在最もギターを売ることが出来るミュージシャンであるジョンメイヤーのPRSへの乗り換えということですね。

YouTubeでのアクセス数稼ぎの>Fenderが標的になりかねない

インフルエンサー、つまりユーチューバーにとって最も大切なのは動画閲覧数ですね。
Fenderから認められたインフルエンサーはFenderパワーでアクセスを稼ぐことができますが、
そうでないインンフルエンサーにとっては市場を制覇しているFenderが標的にする場合が多いと思います。
FenderよりもXXの方が仕上げが良い、こっちの方が良く鳴る、同じ価格であればこっちのメーカーの方が良いという動画が多いですよね。

Silver Skyの大ヒット>PRSに1位を奪われる

ChatGPT調べです。
John Mayer と PRS Guitars が共同開発したSilver Skyは、2018年発売後、PRS史上でも屈指のヒットモデルとなった。

  • Reverbで2022年,2023年首位獲得
  • Reverbの2023年のランキング
    1. PRS SE Silver Sky
    2. Fender Player Stratocaster
    3. Fender Player Telecaster
    4. Fender American Professional II Stratocaster
  • 2024年も上位
  • 2025年は再び2位

という非常に強い販売実績を残しています。
ご存じの通りシルバースカイは、ジョンメイヤーの理想的なビンテージストラトキャスターを具現化する為のベストパートナーとしてそれまでのFenderとの契約を解消してPRSを選択したということです。
もし、ジョンメイヤーがFenderで更にシグネーチャーモデルを出していたら、、、Reverveの統計ではありますがPRSにトップ奪われたのは相当ショックな出来事だったと思います。

FenderのEU著作権裁判の勝利で得たもの

今回の裁判の結果をもって、Fenderがいろいろ行動を起こしていることで多くの海外YouTuberから音楽とギターを愛することからか感情も交じり多くの批判コメントが発せられておりFenderには何もメリットは無いという話ですが、mmmFenderがこの勝訴でもたらさせるメリットを考えてみました。

中国からの粗悪コピー品を排除しなくてはならない

EUの販売店はこの判例が適用されるか否かを別として無視して売るのリスクですので販売できなくなりますね。ネット販売も発見次第Fenderがすぐに差し止め申請できるようになりますね。
もしかしたら他の国の販売店もそのような意識が芽生えるかもしれませんね。

人材流出、技術流出への歯止め

これまでFenderから出られたマスタービルダーやルシアー、職人さんはその知名度を活かすことが出来ていたわけですが、以降は少なくとも今後はEUでのビジネスは難しくなったのは事実ですね。

インフルエンサーへのガバナンス

Fenderからの仕事がなくなる、あるいはジェネリックストラトを宣伝することで自身の価値低下をもたらすリスクを感じられるようになるかも。

ミュージシャンへの暗黙のプレッシャー

Fenderとエンドースすることがギタリストとしてのある意味到達点とすれば、雑誌や映像などに著作権を違反している(かもしれない)楽器を使っている姿が記録されるのですから、そのようなもの行動にリスクを感じられるかもしれません。

第二第三のシルバースカイを生ませない

ジョンメイヤーのパワーをもってすると放置していると2020年代からのストラトタイプはPRSが主導権ということになりかねないという極端なシナリオもあり得ると思います。
最も成功したギターであるストラトキャスターの栄光の歴史を守ることはFenderにとって最も大切なことですよね。
今後、PRSと同様にストラトキャスターからインスパイアされたギターを作りたいメーカーに対するある程度の抑止効果になるのではないでしょうか。

いまだからこそFenderブランドを守る姿勢を見せる時

Fenderの一見強引なやりかたをした副次効果として(ギター界隈では)かなり大きなニュースになったこと自体がFenderブランドを守るための最終手段だったのかもしれません。
もし、何もしなかったら中国からの大量のストラトコピーモデルにあふれ、ハイエンドなストラトはFenderが育てた人がFender外で作るようになり、それ以外はコピー品を含む中古モデルを購入することで事足りてしまうという状況になって行くのかもしれません。
ちなみにChatGPTに相談したところ、中古品でも著作権を違反しているモノを売るのは将来的にリスクになる可能性もあるということをおっしゃっております。

但し裏目に出るかも

海外のインフルエンサーの方々は今回の騒ぎによって、ストラトキャスターやテレキャスターがジェネリックを許容していることで構築されてたオープンなエコシステムが崩壊することで、ギター市場全体が縮小してしまうことを指摘されている方が多いですね。

さて、今後この騒ぎがFenderそしてストラトキャスターの未来あるいはギター業界の未来にどのような影響を与えるのでしょうか?

世界中のギターファンが注目しているのはFenderが今後この判例を基にしてどのような行動に出るのかだと思いますが、現時点で欧州にかかわらずビルダーやメーカーにとって大きな抑止効果を与える結果になっているのではないでしょうか?
これはストラトキャスターのみならず、他のフェンダータイプのギターボディ、更にはギブソンタイプのギターを製造されているメーカーにとって少なくとも気を付けないと訴訟リスクが発生するということでこれまでのように気軽に似ているギターを製造するのがリスクになる可能性が高いですね。
このタイミングでのFenderの行動は勝ち負け以上に大きな影響を与えることは間違いないと思います。

まぁ個人的にはしばらくすると平和な世界がやってくるような気がしないでもないですが。

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