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’80ビンテージ MXR DISTORTION+ 最後の問題パーツは抵抗つまりポットだった!


いきすぎたDIYさん、デルリンさんのご協力の下に3台の1980年製のMXR Distortion+を検証しております。
これまで、オペアンプ、クリッピングダイオード、コンデンサを検証しましたが、最後のピースは、そうです、抵抗です。

で、MXR Distortion+の回路をブレッドボードで組んだり、ユニバーサル基板で試作品を作りましたが、DISTORTIONツマミの挙動がどうしてもオリジナルと合わないのです。

そこで、DISTORTIONツマミで使われているポットについて調べてみることにしました。

MXR DISTIORTION+のポットは1MΩ?500KΩ?

まず再びネットに溢れている(^^回路図を見てみます。

ELECTROSMASHさんのDistortion+の回路図を見ると1MΩのポットが使われています。

一方でbarbarach.comサイトの例では500KΩのポットが指定されています。

それでは実機はどのようになっているのでしょうか?

テスタで計測してみることにしました。

DISTORTIONのポットを計測したら変な値が出て来た

なので、実機を計測して見ることにしました。こちらが1980年MXR DISTORTION+のポットです。
おそらくCTSのへそ付きのポットが使われていますが、左側がDISTORTIONツマミです。

MXR Distortion+ ポットの様子
MXR Distortion+ ポットの様子

で、ポットの1番ピンと3番ピンの間の抵抗値を計測してみると、695KΩということになりました。

MXR Distortion+ Distortion ポットの抵抗値
MXR Distortion+ Distortion ポットの抵抗値

えっ?1MΩでもなく、500KΩでも無いですね。
しかも3台のDistotrion+個体全て、690KΩ前後という値でしたので製品誤差ではないないと思います。
となるとこの年代のMXR DISTORTION+のDISTORTIONツマミのポットはもしかしたら700KΩという特注品が使われているのでは無いかということも考えられますね。

次に、ツマミと抵抗値の変化をみてみます。

回路図によればポットの2番ピンと3番ピンで抵抗値を可変させていますのでその抵抗をテスターで計測します。

まず、DISTORTIONツマミが最小の位置では、688Kということですね。両端が695KΩなので7KΩくらい余っていますが、まぁポットではあるあるです。

MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=ゼロの抵抗値
MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=ゼロの抵抗値

次にツマミの位置を9時くらいにしますが、677KΩという値で、ゼロからわずか1.6%しか変化していません。

MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=9時の抵抗値
MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=9時の抵抗値

次にポットの位置12時では621KΩとなりました。ゼロからツマミを半分にしてやっと11%変化しました。

MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=12時の抵抗値
MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=12時の抵抗値

次にツマミを9時に動かすと27.5KΩといきなり変化します。

MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=3時の抵抗値
MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=3時の抵抗値

最後にDISTORTIONツマミをMAXにすると、37.8Ωということでほぼゼロということですね。

MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=Maxの抵抗値
MXR Distortion+ Distortion ポット ツマミ=Maxの抵抗値

ということで、DISTORTION+のDISTORTIONツマミに使われているポットは、700KΩのAカーブということでしょうかね。
したのグラフ通り回転角が50%で10%変化していますね。

当初1MΩのポットを使っていましたが、どうしてもオリジナルと歪みの量を合わせることができませんでした。

なので計測したら690KΩのポットだったということが判って納得です。

MXR DISTORTION+ ポットまとめ

DISTORTIONツマミのポットが690KΩとなっていることでやはり今普通に入手出来る500KΩや1MΩを使うってしまうと当然同じ位置にしても同じ音が出ないということで納得しました。

良く、ペダルを年代別に集めて音質比較というテストをやられている場合がありますが、基本的にツマミの位置を同じにして比較してますね。
その結果個体差とか年代別で音が違うという結果が出る場合がありますが、今回のDistortion+の場合はポット抵抗値そのものが違うのでポットの位置だけ音質比較するのはちょっと違和感があります。
また、ペダルによっては様々な理由で年代によってAカーブ、Bカーブ、あるいは Cカーブの中で変更されている例もたくさんあると思います。
加えるならポットは通常20%程度の誤差があるようなので個体差であっても比較では注意する必要がありそうですね。

一方で、クローンペダルを制作されているビルダーさんの中ではトランジスタやダイオードやオペアンプ、そしてコンデンサの選定と同様にポットや抵抗の選定に拘られてるいる方がいらっしゃるようです。
おそらくそのような方はリファレンスとなるペダルをパーツ単位でかなり分析しデータを集め、クローンを作るには抵抗1本まで拘られているのだと思います。

ということで、これまで3台のDistortion+の、オペアンプ、ダイオード、コンデンサ、ポットを調べてみると、全てがその年代に作られたパーツだからこそ、ビンテージと言われているサウンドの要因になっているであろうことがなんとなく判った気がします。

なので、次は実際に80年代Distortion+を参考にして、カバ野郎独自のDistortion+コピー機を作ってみようと思います。

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