前回の記事では、RATの計測はこのくらいにしておく、、、と書いてしまいましたが、もうちょっとやってみたいと思い、急遽手持ちのTurbo RATの計測結果をLarge BOXと比較してみることにしました。
RATとTurbo RATの違い
RATとTurbo RATの違いをチャッピー君で調べてみると、このような違いをリストしてくれました。
| RAT / RAT2 | Turbo RAT | |
|---|---|---|
| クリッピング素子 | シリコンダイオード | 赤色LED |
| クリッピング電圧 | 約0.6~0.7V | 約1.7~2V |
| コンプレッション | 強め | 弱め |
| 音量 | 標準的 | かなり大きい |
| 歪みの質 | 粘り・圧縮感 | 太い・オープン・荒々しい |
| 高域 | やや丸い | 明るめ |
| 中域 | RATらしい | 若干ドンシャリ寄り |
| ファズっぽさ | 強め | 少なめ |
| 歪みの「抜け」 | 普通 | 良い |
ちなみに、私のTurboRATのオペアンプはMotorola LM308Nでした。

オペアンプの上にはクリッピング用の赤色LEDが見えますね。
ということで計測してみます。
Turbo RATの倍音計測
テスト方法は前回のWhite Reissueの比較と同じで、サイン波の入力レベルを変化させた時に発生する倍音構成をグラフにプロットしたものです。
ただ、今回は1 KHzのみ、DISTORTIONツマミは0%、25%、50%、75%、100%にしてみました。
前の記事もご参考に。

1 KHz DISTORTION 0 %での比較

DISTORTIONツマミがゼロの状態ですが、どちらも出力レベルと倍音レベルが並行に推移していますので、オペアンプも完全に飽和してなく、クリッピングダイオードも動作していない状態ですね。
わずかにLarge(BIG) Boxの方が倍音が多い、とくに奇数次倍音が、ようですね。
1 KHz DISTORTION 50 %での比較
Large BOXはシリコンダイオード、Turbo RATはLEDですが、それらの歪みの状態を考察できるようにグラフの上に状態を示す矢印図形を追加してみました。
- 灰色 – Clean
- 青色 – Opeamp が歪み始めている(Cluaunch)状態の範囲
- 黄色 – Opeampで歪みはじめながら、ダイオードでハードクリッピングしている状態
- 赤色 – Opeampが飽和している状態

Turbo RATの方がハードクリッピング(黄色矢印を見ると)が始まるのが遅いですね。
TurboRATのハードクリッピング素子のLEDはクリッピングを始める電圧が高いのでこうなるということですね。
また、赤い矢印をみるとLarge BOXのナショナルセミコンダクター製LM308Nの方が飽和し始めるのが早いかもしません。
1 KHz DISTORTION 50 %での比較

このグラフでも判るのはTurbo RATは歪み始めるのが遅く、その後は一気に歪みはじめるということです。
一方で、当然ですがオペアンプが飽和するのは両方とも同じくらいのレベルというのも判ります。
1 KHz DISTORTION 75 %での比較

DISTORTIONツマミが75%になるとLarge Boxは小信号から歪みはじめ、飽和まで倍音が増えていきますが、Turbo RATの方はやはり急激に歪みはじめることが読み取れます。
1 KHz DISTORTION 100 %での比較

どちらもDISTORTIOツマミ全開は、75%の時と変わらないようですね。
まとめ
- Large BOXの方が広範囲でオペアンプとクリッピングダイオードのよるコンプレッションが発生している
- Tourbo RATの方が歪が開始する音量が高いが歪始めると一気に飽和する
- Trubo RATのモトローラー製LM308Nの方がクリーン領域においてわずかに倍音が少ない
ということで、これらの挙動の差はシリコンダイオードとLEDの特性(VF値)の違いでこのような結果になっていると思われます。
またオペアンプの違いは、Large BOXはナショナルセミコンダクター製のLM308N、Turbo RATはモトローラー製のLM308Nですが、クリーン(~クランチ)領域で発生する倍音のわずかに違いがありますが、飽和した後の倍音の構成は似ているようですね。
ということで、Turbo RATはコンプレッションが少ないと思いきや、いきなり歪んでしまうという特性のようで、使いこなすのが難しそうですね。一方でLarge BOXは安定のディストーションペダルという感じでしょうか。

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