1979年製ビンテージ ProCO RAT Large Box/Big Box で使われている可変抵抗器の計測

#ProCo #Rat
ProCo RAT Large box / big box schematic

前の記事で1979年製 ProCo RAT Large Boxをお借りしていることをご報告させていただきました。

1979年製 ビンテージProCo RAT Large Box/Big Boxをお借りしたのでまずいろいろ観察!
なんと、Xのお仲間繋がりでビンテージのRAT Large Boxをお借りさせていただくことができました!ありがとうございます。ということで早速、基板や筐体の観察をさせていただきました。

そして今回DISTORTION、TONE、VOLUMEの可変抵抗器(ポテンショメーター)の抵抗値を計測してみました。

各ポットの計測結果

DISTORTION

DISTORTIONは0位置での残留抵抗の値が極ローゲイン領域での増幅率に大きく影響します。

  • 0位置での残留抵抗値 23.7Ω
  • 中間位置での抵抗値 8.65KΩ
  • 最大位置での抵抗値 85.6KΩ

TONE

TONEは最大位置付近(高域が最も出る)での残留抵抗値が高域の出方に影響する可能性がありますが、その影響は少ないでしょう。

  • 0位置での抵抗値 104.0KΩ
  • 中間位置での抵抗値 56.6KΩ
  • 最大位置での残留抵抗値 43.2Ω

VOLUME

VOLUMEの場合は残留抵抗や誤差も含めてあまり影響が出ないでしょう。

  • 両端の抵抗値 106.6KΩ
  • 0位置での残留抵抗値 17.1Ω
  • 最大位置での残留抵抗値 77.2Ω

DISTORTIONの可変抵抗の考察

残留抵抗の影響の復習

もし、RATのDISTORTIONツマミを0位置付近での残留抵抗値は影響が考えられます。こちらの記事で考察しています。

RAT回路のお勉強 – ボリュームポットで音が変わる?
RATについて、もうしつこいくらいに色々記事をアップさせていただいて申し訳ありませんw今回は、巷でエフェクターやギターでボリュームポットで音が変わってくるという話がたまに話題になるのでそれに便乗してみます。

結局このLarge Boxの個体も私のSmall Boxの個体もDISTORTIONポットに残留抵抗があるようです。
ローゲイン領域はわずかな抵抗値の違いがゲインや高域の変化として出ますので、弾き比べると個体差として感じられる部分だと思います。

RAT自作される方はちょっと留意

自作される方は今時の可変抵抗は高品質になっているようで残留抵抗が0Ωの方が多いかと思います。

自作してもオリジナルと同じ音にならない問題もこのような50年前のパーツとの違いも意識しておいた方が良いかもしれませんね。

TONEの可変抵抗の考察

トーンの効きはSmall Boxと逆回転

Small Box以降のRATはFILTERツマミを右側に回すと高域が削られていく動きをします。
対してLarge BoxではTONEツマミは左側に回すと高域が削られて行く動きをします。

ProCo社はTONEはギターのTONEと同じ動き、FILTERはローパスフィルタの効きの強さの調整、として名称をつけたのかも、、、、どうなんでしょうね。

残留抵抗と1.5KΩ抵抗の関係

TONE/FILTERでは残留抵抗がまぁ100Ω以下であればあまり影響は出ないと思います。
というのも可変抵抗と直列に1.5KΩ抵抗が接続されているからで、総合抵抗値として数十Ωの抵抗は誤差の範囲内に含まれるからです。そもそも1.5KΩ自体も±10%の抵抗ですし。



一方でProCo社がここに1.5KΩという微妙値の抵抗を使っているのも面白いですね。
回路の他の部分では1KΩ抵抗が使われているので、ここも1KΩを使えばわずかですがほんのわずかですがパーツ調達も効率化されると思うのですが、、、、
また、100KΩの可変抵抗と直列なので1.5KΩでも1.0KΩでも使用上超感上でもほぼ影響がないと思われますが、、、、ProCo社拘りの回路設計なのかもしれません。

Bカーブ?

TONEの可変抵抗の中間での抵抗値が56.6KΩになっているのも注目です。
つまりBカーブの抵抗が使われているようですね。
それに対してDISTORTIONの可変抵抗の中間値は8.65KΩなのでこちらはAカーブですね。

結果としてLarge Boxは2つがAカーブ、1つがBカーブが使われています。
で推測ですが、Small Boxでわざわざ逆のFILTER回路にした理由として100KΩの抵抗を全てAカーブに統一したかったから、かもしれません。

  • RATのパーツの中でおそらくフットスイッチの次に高価なボリュームポットをAカーブ100KΩに統一することて調達コストが下がる。
  • 組み立て時の間違いを減らすことが出来る。人手で作業していて大量に生産していると絶対間違えますよね。

ということかと思います。

ちなみにLarge Boxのトーンツマミを回転させると、12時から右側でしか変化が感じられません。これをAカーブにするとおそらく3時より左側の狭い範囲でしか変化がなくなると思います。
よってBカーブを使っているのでしょう。(本来であれば更にCカーブということになると思いますがA/Bに比べ調達コストが高い筈)
なのでSmall BoxではAカーブで接続を逆にすることで少しスムースに変化するメリットもあるということですね。

まとめ

個人的には次の2点がポイントでした

  • DISTORTIONの可変抵抗の残留抵抗があることから個体差に影響が出る可能性がある。
  • TONEの可変抵抗はBカーブだった。

ということで、可変抵抗の計測だけでこんなに長い記事になるとは思いませんでしが、ここまで読んでいただいた方申し訳ありません。

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